24、始姐に優しい迷宮2
底穴の迷宮道理緩やかな下り坂を降りた始姐と僕。
落とし穴は無く急な下り坂も無い。
くねくね曲がった道を歩く。
普通モンスターや行き止まりなど出て来てもいいのに何も出ない。
「沢山のライトを出したけど洞窟全体が明るくならないんだのかな?」
「それでは冒険じゃ無いですよ。」
杖を付きながら歩く。
「ジェラルド。何か聞こえない?」
「うーん。・・・何か水の音が微かに聞こえます。」
「行って見よう」
始姐は走るではなくゆっくりと歩く。
「走らないのですか?」
「うん。走って転んだら嫌だし迷宮もきっと嫌だと思うし。
そもそも気を効かせて色々優遇されているのに自分で折っちゃ行けないよ。ここの迷宮は優しいから」
(確かに優しい。
光が届く所から緩やかに道が広がり、安心して通れる様に道は平。
岩も石も落ちてない。始姐と一緒にいる時は、前の大きな扉では落とし穴にはまり始姐はプンプン怒っていた。が、まだ迷宮と言うものが解って無いの頃の話。
あれから良く本で迷宮の小説を読んで勉強した。
全て作り話だけど。だけど何故かあの落とし穴事件より迷宮が優しい)
「ジェラルド。初モンスターだよ。本に書いて合ったスライムだ!!」
結構進んだのに迷宮で出会ったモンスターがスライム
(そんなので喜んじゃんの?)
「スライムは酸とか飛ばすけど打撃に弱い。」
テッテッレッテ~と擬音語が着きそうな音で影から一本の剣を出した。
「始姐。それは」
真っ黒い剣を持つとスライムに目掛けて振り下ろした。
グチャとつぶれる音が響く。
「ふっ、またつまらない物を切ってしまった」
「切ってません!。打撃です!!。」
「細かい事は言うなワカチコ。ワカチコ。」
「ワカチコなんて死語です」
「つれないな」
「ところでその剣は?」
「ああ。影でなんか出来ないかなって思って色々やっていたんだ。
そしたら影で剣でないかなって思って。
だって剣って重いし持つのも大変だし、影なら普段は影の中に入れて置けば手ぶらで何でもできる」
「始姐」
「有り削りだけどできた。スライムの核はチャカ材に役に立つ」
「初モンスター討伐ですね」
「うん。」
始姐は嬉しいそうに笑った。
剣を影に戻して杖を付きながら緩やかな下り坂を降りた。
水の音が大きく聞こえる。
「水の音が大きくなったね」
「はい」
「お魚取れるかな?」
「魚がいるか解りません。安全かそうじゃないのかも解りません」
「だね」
(始姐。迷宮=安全じゃ無いので)
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