15、洞窟2
一升瓶を手に取るとアイテムボックスに入れていく。
1本。2本。3本。
4本目を手に取る。
「まだ持って行くのですか?」
「えっ?まだ4本しか取ってないよ」
「もう4本ですよ。しかも始姐はそんなに飲まないじゃ無いですか!」
「料理に使うよ」
「暗黒物質は作らないで下さい」
「?。この前のスープは旨く行ったよ」
「醤油だけのスープ。具無し。」
ジェラルドは遠くを見る。
確かに醤油だけのスープで出汁も何も入って無い、ただ水に醤油を入れて煮たスープだ。
「そっそれに寝かして置けばお酒ももっとおいしくなりますよ。」
「美味しく!」
始姐の目が一瞬キラーンと光ったのを僕は見逃さない。
あの目の時はヤバい。何かが起きる。
ドキドキして始姐の行動を凝視していたらアイテムボックスから1本の酒を棚に戻した。
「始姐?」
「迷っていた酒、ジェラルドが美味しくなるとアドバイスをもらったからもう少し寝かす。美味しいのが一番」
ニコニコして酒蔵の小さい扉から出る。
「今日は私が料理をするよ」
「料理は僕の担当です。」
洞窟内を歩き一つの大きな扉をあける。
どっからどう見ても何か出そうな意味ありげな扉だが簡単に開けて中に入る。
「ご飯のお供の松前漬けが前来た時に有ったの」
「食べたのですか?」
「嫌。食べなかった。ご飯も無かったし、それに」
始姐が僕を見る
「ジェラルドに拾い食いは駄目っと散々言われたから」
「あぁ~。言いましたね。とりあえず食べれるか食べれないかどうかを食べてから確認しないで下さい。って」
「悔しかったけどジェラルドの言うこと聞いたよ。」
「大丈夫だと思っても心配です。賢明な判断です。」
「だから今日松前漬けがあったら持って行こうと思ったのに無かったし、今度はスルメでもしゃぶるかな?」
「持たなくてもいいですし、スルメはやめて下さい。」
始姐は笑って言うが何かイメージが会わなくて拒否権発動したよ。
それから松前漬けを探して洞窟内を探したけど結局見つからなかった。
始姐は肩を落として洞窟を出たよ。
ちょっとかわいそうな気になったけど食べれるか食べれないかを食べて判断はやめて欲しい事の一つだね。
僕はそんな事を考えながら始姐と手を繋いでからあの時短の霧の中を歩いて家に帰ったんだ。
時短の霧欲しいわ。どこでもドアのまなみかも