表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始姐様と僕  作者: 橘莉湖
149/149

149、頑張れ

沖田が逃げ出すまで96時間(4日)…と言ったが、4日も持たず、3日で道場に逃げ出した。


そもそもジェラルドが歳三、斎藤、丞は、直ぐに覚えたので沖田も“ 出来て当然 ”と思ってる処があり、歳三の様にスパルタになる。


「逃げ出すの早いですね。そう思いませんか?始姐。」


紅茶を始姐が本を読んでいるテーブルの上に置く。


「逃げ出すの早かったね。明日からギアを上げていくの?」

紅茶に口をつけて始姐はのほほんと言う。

「いえ。明日は剣術の稽古ですので、それが終われば………フフフ嫌と言う程みっちりと覚えさせて上げますよ?」

「程々に」

一応始姐は、スパルタにならない様にブレーキをかけるが果たして何処まで通じるかは、分からない。


◇◇◇


それから半年がたった


頭から湯気を出して机に突っ伏している沖田。

「もう駄目~…」

「ご苦労様。でも覚えて来てるよ」

「古代語は何とかなっても共通語が分からない」

「共通語は古代語が簡単になっただけだから覚えやすいよ?きっと」

「そう言ってもさぁ~」

「大丈夫だって。今ジェラルドが、頑張ってる沖田の為にシュークリームを作って来てくれるって言ってたよ」

微笑みながら言う始姐。


「ジェラルドさんって何者なんですか?」

「何者って?」

「炊事、洗濯、掃除も家の事全て出来て非の打ち所もないじゃないですか!」

「やりたい様にやってるだけで本人は何にも思ってないよ。今は歳三、斎藤、丞がいるから手が空くとも言っていたよ?」

「それでも副長や斎藤、山崎がいない時は、全てやっていたんでしょ」

「そうだけど?ねぇジェラルド?」

「お待たせしました。シュークリームが出来ました。それと沖田。僕は始姐のお世話が出来る事が僕の喜びなのです。」


沖田。ジェラルドを変態を見る目で見るのは辞めよう。

こう見えても強いんだぞ?ジェラルドは。

そんなまさか?って………プロレス技をかけてもらう?


「手が止まってますよ。」

ジェラルドの冷たい言葉が沖田に降り注ぐ。

「始姐。シュークリームを作ってきました!! 一緒に食べましょう!」

ジェラルドの弾んだ声が響く。

「歳三、斎藤、丞、沖田の分は有るのか?」

「有りますよ。歳三、斎藤、丞はもう渡して有ります。沖田、早く共通語を覚えなさい。脳に甘い物を入れて覚えるのです。」


うん。スパルタになりつつある。

頑張れ、沖田。

傷はまだ浅いぞ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ