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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
148/153

148、沖田総司2

ボクの名前は、沖田総司。

新撰組の1番隊長だった。

労咳でボクは死ぬ運命だった。


床に横になり外を見ていた。庭に入ってきた黒猫を斬ろうとして、刀を手にしたが、あんなに身体の一部になっていたのに………重かったんだ。黒猫は斬れずボクの記憶はこの辺りで消えていた。

次に目を覚ますと辺りは草花が溢れる草原の中にいて、そこからボクは、何も覚えていない。

次に目を覚ますと暖かい布団の中にいた。

そこで10歳位の子供と20前後の青年と山崎と名乗る大人の男と有った。

何故かこの家のトップ、局長は、始姐と言われてる子供なんだ。


生活していると色々分かって来た。

まず、始姐と言われてる子供は本当にここのトップ、新撰組で考えれば局長だ。

嘘だと思ったが嘘じゃ無かった。


そして、その右腕の存在がジェラルドと言う男の人、新撰組で考えれば副長だ。


それに鬼の副長と新撰組で呼ばれていた同姓同名の土方歳三。


女性だけど新撰組の三番隊組長と同じ同姓同名の斎藤一。


それから新撰組の監察と同姓同名の山崎丞。


ボクは新しい身体はボンドガールと言われてるが、いかせん乳が大きい。邪魔だ。


『起きましたか?』

『………山崎…丞』

『今、シロエさんを呼んで来ます。』


そう言って山崎さんは扉を開けると中を窺っていたシロエさん、ジェラルドさん、土方さん、斎藤さんが部屋の中に入って来た。


『うん。顔色も良し。2、3日は稽古禁止ね。』

『えー!』

『変わらねぇな総司は』

肩を震わせて笑う歳三。

『………』

沖田が黙って始姐を見るとその視線に気が付いた始姐は咳払いをすると、

『あー、こちら、沖田がいた時代の新撰組で鬼の副長と呼ばれていた土方歳三さん。本人です。ちなみにその隣にいる山崎丞も斎藤一も新撰組の人だよ。ちなみに本人です。斎藤は沖田と同じボンドガールで身体を作った』

『えー!』

びっくりする総司に歳三、斎藤、丞は笑っていた。

『気付いて無かったのか?』

『うん。名前が似てるそっくりさんだと思っていた。』

『積もる話もあるだし話をしてみれば?』

そう言って始姐とジェラルドは総司の部屋を出て行った。


◇◇◇


「沖田が寝ている時に身体のスキャンをしたんだ。そのデータがここに有る。ジェラルドも見てみる?」

「いいのですか?」

「構わんよ。」


データが始姐の目線と同じ高さに現れ流れる文字と数字が緑文字で表示されている


「赤いのが何ヵ所有りましたが、あれはどう言う意味ですか?」

「赤は異常が有る処」

「これを見てると体温が異常に高いですね。それに肉体的疲労。精神的疲労も有ります」

「蓄積した疲労が回復しずにたまってて発熱に繋がると思うね。」

「では、適度な休みが必要って事ですね?」

「そうなるね。3日動いて4日休み。休みの間は、文字の勉強にするか?」

「始姐の考えのままに」

「では、3日動いて4日休み。休みの間は共通語、古代語の勉強だね。それじゃ、沖田の部屋に行こう」


始姐の部屋を出たジェラルドは、チラリと先程までいた始姐の部屋を見ると「うん」と頷き始姐の後を追った。


「始姐。始姐。」

「何だい?」

「クローゼットの中に籠が入ってます。後で、洗って欲しい服を入れておいて下さい。つい最近、魔導式洗濯機が売っていたので試しに買って見たんです。使い勝手が大変いいですよ?」

「そうなんだ。では、後でやっておくね。ああ、ついでに本を片付けて欲しいんだが頼めるか?」

「承りました。」


◇◇◇


沖田の部屋に近付くにつれ話し声と笑い声が、外に聞こえてくる。

部屋の扉が開けたまま話をしている姿を見て、歳三、斎藤、丞、沖田の誰1人として会話に夢中で始姐とジェラルドが来た事に気が付かない。

ジェラルドが扉にコンコンコンとノックすると、音がした方に歳三、斎藤、丞、沖田が振り向いた。

「シロエ、ジェラルド」

と歳三が言う。

「姐さん、兄さん」

と斎藤が言う。

「シロエさん、ジェラルドさん」

と丞が言う。

『シロエ姐さん、ジェラルド兄さん』

と沖田が言った。


『取り込み中すまんな』

始姐が言うと歳三、斎藤、丞、沖田は「『そんな事無いよ』」と笑顔で答えた。


『沖田が倒れて身体を調べた。疲労の蓄積で発熱してる。だから3日動いて4日休みにして様子を見るよ』

ジェラルドが歳三に書類を渡す。

その書類には沖田の身体の状態が書かれていた。

『発熱意外は肉体疲労と精神的疲労だね。4日の休みに文字の勉強だよ。共通語と古代語の勉強』


スラスラと日本語で喋る始姐。

勉強と聞いて嫌な顔をする沖田を見てジェラルドが始姐に耳打ちをする。


「始姐」

「分かってる」


小声で始姐とジェラルドが短い言葉を交わす。


「嫌でも何でも覚えるの」

「僕達の言ってる言葉を理解出来ないでしょ?。今は、歳三、斎藤、丞がいるから大丈夫ですが、居なくなってから言葉が通じないはかなりのストレスです。今のうちにしっかりと理解して下さい。」


淡々と共通語で話をする始姐とジェラルド。

沖田以外の歳三、斎藤、丞は、「うん」と頷いていた。


明日から始まる古代語と共通語の特訓に歳三、斎藤、丞は「頑張れよ」と言うだけだった。


沖田が道場に剣の稽古をしている、歳三、斎藤、丞に助けを求めるまで、あと96時間。

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