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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
145/149

145、運だけで勝ち上がる遊び2

冬の長い間は、何も殺ること・・・違った。遣ることが無い。

畑では作物を2、3日分を収穫をしているので出掛けなくていい。


ある日の朝、始姐が言いました。

「娯楽が無い。」

「無いですよ。冬ですから?」

始姐が暇な時は、何も起こらない。大変嬉しゅうございます。

あの後、沖田は屍の様に眠りに入った。歳三が心配していたが、始姐の「大丈夫。疲れて寝てるだけ」とニコニコ笑いながら歳三や斎藤、丞に言った。

料理も作らなくなって来た。丞の機転を効かせてあれやこれやとキッチンから遠ざかってます。


良かった。良かったよ。

死人が出るのは不味いですから

まぁ僕達はギリギリの処で生きてますから始姐の料理ぐらい問題な・・・問題はあります。

と、まぁ、今娯楽がないと嘆いています。

「そうだ。ボウリングを作ろう!」

「「「「ぼうりんぐ?」」」」

「そう、玉で棒を倒す遊び」

「面白いのか?」

と歳三が言う

「倒す意味は?」

と斎藤が言う。

「玉は?」

と丞が言う

「あっ」

始姐が何にも揃ってない事に気が付いた。

「ジェラルド~?」

あっ、この目は「ジェラルド~…作って」ととんでもない事を言う時の顔をしてます。

ので、先手を打って

「僕は、ぼうりんぐと言う物を見た事が有りません。作れませんよ?それでしたら無難にトランプにしておきましょう。始姐?」

このトランプを作るのさえ難しかったんですから

何でも屋で少し固めの紙にハートやダイヤ、クローバーにスペードを各13枚づつ用意するのです。

ちなみに11は、J。12は、Q。13は、K。だそうですが僕の作ったトランプは1~13の数字で作られています。後から聞いたら見た事の無い文字でした。何処かで見た事が有るかも知れませんが、思い出さない当たりどうでもいい文字なんでしょう。


「皆で遊ぼう。沖田を起こしに行ってくる」

タタタと走ってしまった始姐を止める間もなくジェラルド、歳三、斎藤、丞が始姐の後を追った。


「沖田~、起きた~?」

「シロエさん」

ぞろぞろと入ってきて、皆マスク着用でトランプをしようと言う。

「ババ抜きをしよう。最後まで残った人は今日の料理当番で!」

元気に言うとジェラルドがはっきりと言った

「始姐と沖田は最後になっても作らなくていいですから」

「何で?」

「それは、始姐。貴女の料理が不味いですから」とは言えず、ジェラルドは頭をフル回転して言い訳を考える。

「始姐はボンドガールの状況を見ないと行けませんし、料理なんて、出来なくてもいいのです。」


お願いだから厨房に立たないで!!


「・・・分かった。」

意外とすんなり分かってくれた?でもこう言う時こそ変化球が来るのだ。安心しては行けない。


5回勝負で3回負けた人が、料理を作る。

運で勝ち上がる戦いだ。


結果、歳三と丞が料理を作る事になった。


「副長手慣れてますね」

「ジェラルドに教えて貰った」

「……で、その鍋の中にある物は?」

「見ない方がいいぞ?」

歳三の止める間もなく丞が、鍋の蓋をパカッっと開けた。

「うわっ!?……副長これは食べ物ですか?」

「シロエ曰く食べ物だそうだ……」

「あれは食べ物じゃないですよ。」

青い顔をして首を横に振る丞。

「忘れろ。思い出すな!」

「味見はしないんですか?」

「何とんでもない事を言うんだ」

「気になるじゃないですか?」

「そこに小皿が有るから少し飲んでみろ。俺は責任は無いからな。山崎の意思で飲むんだからな!」

「はい。勿論、そのつもりです」

鍋の蓋を取ってお玉でスープをすくい一口飲んだ。

固まったまま動かない丞。

「山崎!戻って来い!」

肩に手を乗せてガタガタ揺らし昇天しかかっている丞を戻す。

「山崎!」

「は?!」

ギギギと首を動かして丞は歳三を見る。

「近藤さんが手を降っていました」

「戻って来れて良かったな」

「何してるんです?」

「「ジェラルド(さん)!!」」

「あーそのスープは、始姐が作ったコーンスープらしいです。底に沈殿しないる物は絶対に食べないで下さい。スープは飲んでも構わないのですか自己責任で、宜しくお願い致します。」

「上澄みだけであれかぁ」と内心冷や汗が出てる歳三と丞は、気に取り直して料理を作り始めた。

今日の料理は、煮魚から魚を揚げた料理に変更だ。


その後の始姐の料理は勿論、捨てました。


「シロエ!食材がもったいないから料理は作るな!」

と歳三が言ったか言わないかは始姐本人とジェラルドのみ知る事となった。


「お粥()()は旨いですよ」

とジェラルドは言っていた。

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