14、洞窟
始姐の森には洞窟がいっぱいある。
その中でもダンジョンって呼ばれているのもある。
だだし始姐がダンジョンとして認識は全くしてない。ただの洞窟と思っているのがほとんどだ。
さすがに落とし穴があるのはダンジョンってこと認識だけどそれ意外は洞窟と認識している。
「始姐、今日はどちらへ。」
「んーと。酒蔵洞窟に行く。お酒が飲みたいから」
「酒蔵洞窟?あそこはダンジョンでは?」
「ダンジョンじゃないよ洞窟だよ。冷たくて涼しくてお酒が冷えて美味しいの」
「一緒に行ってもよろしいでしょうか?」
「いいよ。」
パタパタと走り部屋からショルダーバックを肩に掛けて玄関に行く。
僕も部屋に戻りウエストポーチを取りに部屋に戻ってから玄関に行く。
「じゃあ行こう」
誰も来ない。来ることが無い始姐の家。それでも施錠をする。ガチャと音がする。
「鍵が有っても始姐じゃなければ開きませんね」
「そうだよ。もう開かないよ。」
アイテムボックスに鍵を入れる。
「鍵が無くなったらどうしますか?」
「どうにもならんよ。鍵はダミー、本当の鍵は別にある。だから大丈夫」
(何が大丈夫何だろう)
「僕だけでも家に入れますか?」
「無理だよ」
「そうですか」
「さっ行こう。酒蔵洞窟へ」
酒蔵洞窟に行く。始姐が声を出すと回りに霧がさわさわと出て辺りを包む。
「凄い霧ですね。先ほどまでは晴れていたのに」
真っ白で辺りが見えない
「始姐、何処ですか?」
「すぐ隣にいる。手を繋ごう」
始姐の手は小さい。
この小さい手でポーションとかを作る凄い人だ。
手を繋いでから5分程歩く。
霧が晴れたら目の前は酒蔵洞窟だ。
「どーなってんですか」
「酒蔵洞窟だよ」
「違う。違う。何で5分程歩いて洞窟につくんですか?始姐と手を繋いでからサクサク歩いていましたが、あの霧は何ですか?」
「時短の霧」
「は?」
「時短の霧と私は読んでる」
「僕一人だとあの霧はどうなるのですか」
「迷いの霧になる。さて洞窟に入るから」
スタスタと洞窟に入る始姐、僕は後を追った。
洞窟は冷たくヒンヤリしている。
壁から矢が降ってくる事もない。
槍が落ちてくる事もない。
安全な洞窟、始姐がいれば・・・。
僕一人で来たら矢に槍に落とし穴の洗礼を受ける確実に、だって僕を振り替えって見ている始姐の裏で洞窟が悔しいげに矢や槍が消えて行くんだもん。怖いわー。
始姐にはちょうどいい扉を入る。僕には小さい
「うわー。凄いです」
瓶が壁にズラーって寝かせてある。奥には樽もある。
「どの酒を持って行くのですか?」
「適当だよ。手に取った物だよ」
瓶を適当に触る。不規則でおぼつかない手なのに飲み頃の物を当てていく。何故だ。