136、沖田総司
ボクの名前は、沖田総司。
黒猫を斬ろうとして刀を持ってボクは死んだ。
次に目を覚ましたら森の中にいた。
身体が重だるく、ここまでかと思っていたら幼い子供と青年が立ってボクを見ていた。
次に目を覚ましたから暖かい布団の中。
部屋に入ってくる、土方名乗る男性と斎藤と名乗る女性。
話をして土方さんと斎藤だった。
久々に話をして笑い合い、楽しい時間を過ごした。
たまに児童が菓子折りを持って来る。
土方さんも斎藤もこの児童に頭を下げる
こんな変哲もない子供に何で頭を下げるのだろう?
でも不思議と何も思わなかった。
ただ、土方さんも斎藤も凄い方だと言う。
何が凄いのか分からない。
ただ、児童の後ろに付いている男性が、ボクを怪しげな視線を送ってくる。
「絶対安静だから、出歩かないで、起きて歩くのはこの部屋まで」
ボクに命令する児童。
ボクに命令が出来るのは近藤さんと土方さんだけなのに、なんで土方さんは楽しそうにそいつに話しかけてお伺い立てるの?意味が分からないよ。
今までは屯所の時は山崎が来てくれていたが、その山崎も児童の相手で来てくれない。来てくれるのは、マスクをしたジェラルドって言う人。
土方さんがボクに言うんだ。「粗相の無いように。」って、
ボクそんな事しないよ。
今日は、始姐って言う人が来たと思ったら児童だった。瓶に怪しく光る水色の液体。これを飲めって事?味は見た目と反して“ぐれーぷ”って言う味。ぐれーぷって何だ?
「グレープ味か!良かったな総司!当たりだぞ!」
レモン味にいちご味に青汁味もある。が、レモン、いちご味は、う~んと眉間にシワが寄るレベル。
青汁味何て問題外だ。
「何でこんな味を作った!!」って土方さんが言っていた。
「青汁は身体にいいんだぞ~。飲め。」
で、飲んでました。土方さん。斎藤も山崎もほっとしていたよ。
「沖田さん、ご飯です。」
そう言って持ってきたのは山崎だ。
土鍋の蓋を取って出てきたのはお粥だった。
ちなみに始姐が作った。ジェラルドが言う通り、始姐はお粥だけまともに作れる。
他の料理がさっぱり出来ないのに。
「始姐の料理のなかで一番まともな料理です」
さらりと毒を吐くジェラルド。
歳三、斎藤、山崎が「うん。うん。」と頷く。料理が旨いと思っているのは始姐1人だけ。
そんな始姐でもお粥だけは、ジェラルドより美味しいのだ。
まぁ、お粥なんて炊いたご飯を水で軟らかく煮た物。シンプルだけど始姐はこれを上手く作るのだ。
だからかお粥が美味しい、だから他の料理も美味しいと思っている。
「なんでやねん。」
と思わず突っ込みが入ったのは間違い無かった。