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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
135/149

135、山崎丞2

私の名前は山崎丞。

銃弾を受けて船の上で息を引き取ったと思い目が覚めたら暖かい布団の中にいた。

腹の傷も手当てしてあり辺りを見回しても殺風景。


扉が開いて入ってきたのは、白銀髪の子供に20代位の青年だった。

『目が覚めたか?』

流暢な日本語。

「これで良かったのか?」

「さあ?分かりません。」

聞いたこともない言語。

ここは本当に何処なんだろうか?

私は、皆と同じ所に逝けたのだろうか?


「ここに居たのか。シロエ」

流暢な言葉に私は目を丸くした。

そこには土方歳三が居たからだ。

「!!」

『山崎目が覚めたのか?』

『副長ですか?』

『ああ、土方歳三だ。本人だ。』

「積もる話も有るようだし私達は席を外そう。行こう。ジェラルド」

「はい。」

白銀髪の子供と20代位の青年は部屋を出て行った。

『白銀髪がシロエ、男の方がジェラルドと言うんだ。ここで生きて行くには言葉も文化も違うが、監察のお前ならあっという間に覚えてしまうだろう』

ハハハと笑う歳三と咳払いをする斎藤。

『あの人はどちらのみかたですか?』

『あの人と言うのは?』

『青年の方ですが?』

『ジェラルドさんですね。ジェラルドさんは始姐loveの人だから、始姐に対して無害ならそのままだし、始姐を敵意を向ける奴なら速攻で殺す人だよ。勿論相手だけどね。』

『何人いましたったけ?』

『38人だな。ジェラルドの餌食になったのは』

『俺達も日本語を使うけど基本的に古代語って言って今は使うのは殆んど使わない言語で、次に共通語を使ってる』

『「早く覚えろよ」』

そう言って歳三は出て行き、斎藤が残った。

『斎藤さんはどうやって覚えたのですか?』

「俺の場合自然と覚えたぞ。」

『?』

『すまない。俺の場合自然と覚えたぞ。もう古代語と共通語はスラスラに言える』

『…………』

『今じゃ、日本語のほうが危ない。』

『早く良くなれ。始姐さんのお茶は旨いぞ。それにジェラルドさんの料理も旨い』

そう言って斎藤は出て行った。


遠くから木刀の音がする。

音のする方にヨタヨタと歩いて行くと土方さんと斎藤さんで打ち合いの稽古している。

そこに七輪で肉を焼く始姐とジェラルド。いつもの事なのか、土方さんと斎藤さんはスルーしてる。

「シロエ。」

と歳三が打ち合いながら声をかけた。

「なんだい?」

肉を焼きながら平常運転で答える始姐。

「煙い」

七輪から上がる煙がダイレクトに歳三と斎藤を狙い撃ちしてくる。

「食べる?」

肉をひっくり返しながら始姐は聞く。

「食べる」

「頂きます」

斎藤も歳三も香ばしい肉の香りの前には剣術を続けられない。

「勝った」

「肉の香りは卑怯だぞ」

始姐、ジェラルドは、土方、斎藤の剣術にまぁまぁ茶々を入れる。

『何だこの光景?』

『山崎も食え。いいよなシロエ』

「いいよ。生肉は久々に手に入ったからね。」

山崎も加わり焼き肉パーティーをする、始姐、ジェラルド、土方、斎藤、山崎は、手に入ったレットボアの肉を焼いて食べていた。



「あー食べた」

「美味しかった」

『美味しかったです』

「ところでシロエ」

「なんだい?」

「手っ取り早く言語を覚えれる方法は無いのか?」

「有るには有るよ。ただし、ガツンと直接頭に覚えさせるから本人の負担も大きい。………でも大丈夫だろう。監察だし」

イヤイヤイヤイヤ。

監察だから大丈夫って、なんの根拠なの?

ジェラルドも歳三も斎藤も頷かない。ってか、斎藤仲間が出来た顔をしない!。

「痛くないよ。多分。」

その笑顔は何ですか?!

怖い、怖い、怖い!

始姐の小さい手が山崎の頭にガッチリとつかみ

「■■■■■」

呪文を言う。

「アビビバババ!!」

言葉ではない言葉で叫ぶ山崎。

いつ見てもこの瞬間だけは顔を背けたくなる。背けてるけど。

山崎の頭から手を離すと、山崎は後ろにひっくり返っりピクピク小刻みに動いてる。

「これで大丈夫だろう。」

本当に大丈夫だろうかと不安になる歳三、斎藤だった。

「そういえば、トヨハシで何でも屋が新商品を出したんです。飲んで見ますか?タピオカミルクティ?って言うのですが始姐はいらないそうです。」

「だって見た目が………」

「タピオカって言う黒くてブヨブヨした丸い何かですが」

「なら飲んで見たらどうなんだ?」

「だって、あの黒くてブヨブヨした丸い物がカエルの卵のように感じて、何でも屋では大声で言ってないよ。そう思ったら、もう飲めなくて………」

「確かに見た目がカエルの卵ですね。本当は木の樹液と粉を使ってタピオカの元を作っているんですが………、僕も良く分からないので」

分からんのかい!と、歳三と斎藤は突っ込みを入れた。


山崎が目を覚まして、普通に共通語と古代語を話しているのを確認した。

えっ?もし喋れなかったら?そんなの決まっているじゃないか、もう1回、ガツンと脳に直接お願いをするのだよ。

起きてタピオカドリンクを見て、山崎は嫌そうな顔をして

「これ。飲み物ですか?なんかの卵が沈殿してる」

と、嫌な顔をして言った。

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