133、御愁傷様です。
歳三、斎藤、山崎に今安静にしている沖田総司と小さな指を折り曲げて始姐は言う。
「後は何人ですか?」
僕の問い掛けに始姐は、チーズケーキをフォークで一口大にカットして口に入れ咀嚼した。
僕はティーカップにアールグレイの紅茶を注ぎテーブルの上に置く。
「永倉新八に原田佐之助の2人だよ。確か?」
「始姐何で、近藤勇を局長を呼ばないんだ?」
と歳三が聞いてきた。
歳三が始姐と言う時は大抵、始姐と僕と歳三で話をしたい時だけ。
「うーん。何となく」
「何となくで呼ばないのですか?」
「呼んでも役に立たない。だって彼、首チョンパでしょ?」
「首チョンパって」
歳三は呆れた様に言い、ジェラルドが出してくれたチーズケーキを一口大にカットして食べる。
「美味しい」
「でしょ。ジェラルドの料理は美味しいんだ。私が作ると何故か上手くいかない。何でだ?」
「「………」」
何とも言えないジェラルドと歳三は困った顔をする。
「困ったね」と言いながら本日のチーズケーキを3個を食べた始姐である。
コンコンと扉を叩き外から声が聞こえる
「副長、山崎です。入っても宜しいでしょうか?」
「入れ。」
扉を開けて、山崎が入ってくる。
スリッパをはいて部屋で談笑していた始姐、ジェラルドをチラリと見て促されて椅子に座る。
始姐は本日4個目のチーズケーキを食べている。相変わらずの平常運転だ。
「話したいことが有って呼んだ。シロエの料理の味を見てもらいたい。ダメだろうか?」
(歳三、オブラートに包みましたね。本人の前で、料理が不味いとは言えませんよね。)
アールグレイを片手に飲みながら歳三と山崎の話を聞いていた。
「不味いとはどのくらいでしょうか?」
「100文は1件しかず、作っているのを、実食してもらおう。始姐~
食べとるとこすまん。山崎が始姐の料理を食べたいと言い出してさ作ってもらえないか?」
「オッケー」
◇
「ショートケーキを作るよ。まず、必要な食材から、スポンジ生地から
・薄力粉 100g
・全卵 3個
・グラニュー糖 100g
・バター 45g
・バニラオイル 少々
クリームシャンティ
・生クリーム 400ml
・グラニュー糖 30g
・リキュール 少々
シロップ
・水 100ml
・グラニュー糖 50g
・リキュール 20ml
仕上げ
・イチゴ 16粒
を用意致します。」
全卵とグラニュー糖を混ぜます。
ふるった小麦粉をかけながら卵液と加える。
あらかじめ溶かしておいたバターをバニラオイルを加えて混ぜる。
型に流してオーブンで170度で焼く。
グラニュー糖と生クリームを泡立てる。
スポンジをスライスしてシロップを染み込ませる。
クリームを打ちスライスしたイチゴを並べクリームを打ちスポンジをのせてシロップを染み込ませる。
上側と側面にクリームをコーティングして絞り袋でクリームをデコレーションして、最後にイチゴをのせる。
これで出来上がりです。」
「ちょっと不恰好になってしまったが、それなりに食べれそうだ」
満足げに言う歳三。ピサの斜塔のように斜めになっているデコレーションケーキ。
一方始姐のケーキは弾力のあるケーキだ。
プリンの様な見た目ではなく、板蒟蒻の様な弾力のあるケーキ。
「初めて作るには凄いですよ。歳三。新撰組の面々で食べて下さい。」
「お、おう。」
「始姐のケーキは全て山崎が食べてくれます。良かったです。」
「えっ?!」
ジェラルドが山崎の肩をポンと叩いてニッコリ笑う。
歳三が山崎の肩をポンと叩いてニッコリ笑う。
「私はどちらでもいいよ。食べてくれるなら」
ニコニコ笑うので「嫌だ」とは言えず切り分けた蒟蒻の様にプルンプルンと揺れるケーキをお皿にのせて山崎に手渡した。
「い、いただきます。」
始姐のケーキにフォークを入れ一口大にカットする事ができた。大きな一口で山崎はパクリと食べて咀嚼して飲み込んで、水で更に飲み込む。
「味は、?」
キラキラの目で聞いてくる始姐。
それもそのはずだ。今回の料理は今までの中で高得点の出来栄えだ。
「クリームがジャリジャリします。」
「そうか。また今度もう少し上手く作るよ。後は新撰組の皆で食べて」
始姐はニッコリ笑いケーキを渡した。引きつった顔をする歳三をよそに始姐は満足げだ。
(御愁傷様です。)
ジェラルドはニッコリ笑うだけだった。