13、雨2
ジェラルドと土間に行く。棚には蓋付きの菓子バチだ。
ティーポットにティーバッグを入れてお湯を入れて蒸らす。
「始姐。紅茶の用意ができました。いつもの所でお茶にしましょう。」
お盆に乗せてティーカップにティーポット、菓子バチは私が持っていく。
「恵みの雨だな」
「凄い大雨で僕は怖いです」
「ジェラルドは雨は嫌いかい?」
「いえ。濡れるのはそんなに気にもしてませんが、音を立てて激しく降る雨は怖いです」
「そうか」
菓子バチの蓋をポンっと開けてテーブルの上に置き中は大きなチョコチップクッキーがある。
「始姐」
クッキーを2つに分けて食べる。
「ん?」
紅茶を一口飲んでジェラルドは言う。
「ずっと考えていました。冒険者登録しませんか?。」
「冒険者登録?」
「はい。50年も山の奥のまたその奥に1人でポーション作り。冒険者になって冒険しませんか?まだ僕も登録してませんし。考えてみて下さい。」
「・・・そうだね。一度じっくり考えてみるよ。所で冒険者になるとどんな特典が付くの?」
「街に入る時の税金がなくなります。冒険者として入るので」
「それは、凄いね。ポーションを運び街にに入る時に払う税金が地味に来るんだよ~」
クッキーを口の中に入れて咀嚼し紅茶を一口飲む。
「あっ、この紅茶美味しい」
「でしょ。」
紅茶とチョコチップクッキーを食べながら談笑した。
ジェラルドの『冒険者登録しません?』から数日がたった。私はその間、ジェラルドが買って来た魔導式コンロが家に来た。
魔法で土間を壊し板を並べて魔導式コンロを設置する。パンもクッキーも焼ける万能タイプだ。
試し運転としてパンとクッキーとシチューを作ったが私がやろうとすると駄目と言い触らせてくれない。なぜだ。
そんなこんなで今日はポトフを作ってくれた。
「ジェラルド」
「はい」
「美味しいよ。やっぱり今度は私が作るよ」
「大丈夫です。所で説明しましたが解りました?」
「だいたいね。所で話が替わるけど前話していた冒険者登録の事だけど」
「はい。」
「登録しようと思う。冒険してみたいし。結界の事は何とかなりそうだし」
「数日こもっていたのは結界の事でしたか」
「そう。地鳴りとか気になって調べたが、これが全く解らん。あきらめた。」
「そんなあっけらかんでいいのですか?」
「よい。よい。解らんもんに時間を費やしたくないしな。それに何かあった時はその時だよ。」
「それは・・・(いいのですか?)」
「で、登録するのは今度は街に行った時にするのはどうよ。」
「はい。そうしましょ!」
その日はジェラルドと長話をしながら夕食を食べた。終始笑顔のジェラルドが見れて良かった。