129、山崎丞
沖田総司が、目を覚ます間にもう1人稀人がやって来ました。
ゼウスさんに咥えられて
彼は、監察の山崎丞。
ドサリと始姐と僕、歳三、斎藤の前に落とされました。
それも意外と高い位置から。
「本当に来たよ」
と、始姐はポツリと言ってました。
始姐は来ている事は知っていたそうです。
「何で教えなかった?」
歳三が始姐の胸ぐら掴んで言ったら、始姐は、こっち(沖田)の方が先だったからすっかり忘れていたよ。ハハハって悪びれもなく豪快に笑ってました。
優先順位をつけたそうです。
「お風呂が有ります。そのゼウスさんのヨダレまみれを何とかして下さい。」
生臭い。
山崎丞からゼウスさんの生臭い匂いが鼻につく。
ちゃっと風呂に案内して、魔導式洗濯機に忍び服を入れて標準コースで洗います。
やり方知っていますよね?
始姐ですらやってますよ。
たまに洗剤の量間違えて大変な事になるけど………。
風呂から上がった山崎は、タオルで身体を拭いて茶色の着流しを着て始姐、歳三、斎藤がいるダイニングに連れて来ました。
席について冷たいお水を出します。
蛇口からではありません。アルミ缶に氷を入れてナイフで砕いて溶けだした冷たい水です。
「毒は入ってません。飲んでも大丈夫ですよ」
僕がニッコリ笑っていると山崎は、コップを持つと喉を鳴らしてお水を飲んだ。
水を飲み干して一息ついて目の前の歳三と斎藤を見て、山崎が
「お久しぶりです。土方さん。それと斎藤さんですか?。」
「久しぶりだな、山崎。」
「久しぶりです。山崎。」
「で、こちらの児童と青年は?」
「「俺達を助けてくれて第2の人生をくれた人だ(です)。」」
「処で斎藤さんはなんで女になっているんですか?」
「カクカクシカジカで、説明するのが大変なんだ。こう言うもんだと受け止めてくれ」
「はぁ」
「ちなみに俺達の上司は、姐さんで、ジェラルドさんは姐さんの右腕。」
山崎が始姐を見て、
「は?この餓鬼が?」
と言って始姐に指を指すとつかさずバチコーンと大きな音が当たりを響き後頭部を手でさすりながら踞る山崎。
「ジェラルド」
「はい」
「ボンドガールを作ってくる。後は任せていい?」
「はい。勿論」
僕はお盆を身体の後ろに隠して始姐に一礼をしました。
「後、金槌があるからお盆直して置いて、ね?」
「はい♪」
僕にそう言って始姐は部屋を出て行きました。
「シロエは何処に行ったんだ?」
「ボンドガールと言ってました。沖田の身体を作るのでしょう。今の身体では、足手まといでしょう。ただ、上手くいくか分からないそうですが。」
僕は言うと歳三も斎藤も難しい顔をしてます。