126、北の森
北の森
そこに稀人の慣れ損ないが覆い被さり取り込もうとしている物がいた。
ゼウスが見つけ出し遠吠えをして、稀人の慣れ損ないに牽制すると思ったが取り込むのを早めるだけだった。
ゼウスに背に股がり颯爽と走るスピードに合わせて始姐が、マスケット銃の引き金を引くと同時にマスケット銃を遠くに捨てる。
魔法で造られてるから始姐の手から離れれば後は消えていく。
放たれた弾丸が慣れ損ないのブヨブヨした身体を貫通する。
痛みはあるようだ。
新たな攻撃に取り込むのを辞めて飛び退く慣れ損ないは、草、花、木に纏わりつき、植物を枯らす。
「始姐!」
「何だ!」
「何か有って来ないはずの北の森に来たのか?」
「分からん。だが、『土方さん、助けて』と言う声が聞こえた」
「………そいつは急がないといかんな」
「ああ。牽制は私の方からやる!ゼウスは」
「分かっておる!」
マスケット銃から放たれる弾丸は稀人の身体に穴を空けていくだけ
「チッ!埒が明かない」
マスケット銃の展開を辞めて魔法で作り出した炎の弓矢を放つ
炎を纏った矢が慣れ損ないに当たる。
GUOOOーーー!!
聞いたこともない声で慣れ損ないはスライムの様にプヨプヨした丸い形にから足を6本だし、蜥蜴や鰐の様に歩き出し警戒な速度で始姐の森から出ていった。
残ったのは奴が残した足跡だけ。
そこは草が枯れていた。
「こいつは稀人か?」
「どうしましょうか?」
「仕方ない連れて帰ろう」
始姐はゼウスが稀人を咥えるのを見るて真面目な顔をして
「システム起動!」
『ハイ。何でしょ?』
「奴が通った処の全てを浄化せよ!。早急に。今から大至急で」
『依頼を受託しました。これより浄化が開始されます。』
「ゼウス全速力でこの場から離れろ!」
「はっ!!」
ゼウスは始姐を振り落とさんばかりのスピードで走る。
始姐も振り落とされないように毛を掴んだ手が白くなるまで掴んでいた。
風の抵抗が無いように身体をゼウスにくっつけて森の中に消えて行った。