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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
122/149

122、冬が来た

冬がやってきた。

まだ雪が降る前に森の中で鹿と黒熊を仕留めて来た始姐。

血抜きをするために、喉に横一本のナイフで斬ってある程度血抜きをして始姐とジェラルドと歳三に斎藤が冷たい川の中に入り、鹿と黒熊を川の中に沈めた。


「明日になれば水から上げよう」

始姐は、言い杭にロープを巻き付けて僕達は川を後にした。


始姐の森は、広大な魔力が満ちている。

魔力の弱い人が来れば簡単に魔力酔いになってしまう。そんな所だ。

だからか、龍やドラゴンが住み着く。何年に渡って住み着くので子育てに最適なのか(つがい)でいることもある。

そして家賃なのか、黒熊を仕留めて持ってくる。

始姐も狩りに行くよりも玄関に置いてある黒熊を見て、始姐も「大物だ」と澄ました顔をするが、口の端がプルプル震えているのを僕は見逃さなかった。

「嬉しいなら喜んでください。龍もドラゴンも喜びますよ?」

ジェラルドに言われて始姐は、万歳(ばんざい)して、

「やったー!黒熊だー!狩りに行かなくても良くなったー!」

と叫び、僕と歳三と斎藤で

「「「そこかよ!」」」

と突っ込んだ。

「あっ、血抜きされてない。早く血抜きしないと肉が不味くなる。ジェラルド、斎藤、歳三、ロープ持ってきて」

通常運転の始姐。大きな黒熊の足を掴んでズルズルと大きな木の下に行くと浮遊魔法で逆さ吊りにして、躊躇(ためら)いもなく首を斬った。

ドバーと出てる血の間にロープを持ってくる斎藤。

ロープを受けとると浮遊魔法で身体を浮かして黒熊の足に巻き付けてフヨフヨと川の方に行く。

「熊とシロエが飛んでる」

「慣れて下さい。それに見失っても大丈夫です。黒熊の血の跡を追えば大丈夫です。」

手慣れてるジェラルド。

「「そうか、これが普通何だな」」

と納得する歳三と斎藤。

そして、黒熊を川に浸ける。


魔法で黒熊の皮と身に分ける。

「創造魔法最高!」

小躍りしてる始姐を僕と歳三と斎藤は遠い処から生暖かい目で見つめる。

「あれは何だ?」

「ただの小躍りですよ」

「恥ずかしく無いのか?」

「少しハイになってるので………黒熊の肉は美味しいから嬉しいんでしょ」

楽しそうに踊ってる始姐を見て

「「………そうだな」」

と歳三と斎藤は納得した。

始姐の視線と僕達の視線が絡み小躍りのまま固まった始姐と湯飲みを持ったまま固まる僕達。


始姐。何もなかった感じにしなくても大丈夫ですよ。笑いませんから……プクク


肉を半分に分けて倉庫に吊るす。

一週間から1ヶ月したら始姐の手のひらの大きさに角切りしてアルミ缶に入れる。


毛皮は、巻きストーブの近くに引いてる。椅子の上、ベッドの上。

余った毛皮は倉庫の中に入れておく。

そんなこんなで、今年の冬は早足で来た。


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