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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
120/149

120、恐ろしかった

俺は、土方歳三。

新撰組の鬼の副長と呼ばれていた。

過去形だ。

ここには、新撰組はもう無い。

俺の命を救ったシロエが今の主だ。

………料理が下手だけど。

だが、俺以上に強い。


今は、鬼の副長は鳴りを潜めてる。


シロエが住んでいる森には、盗賊や盗人はいない。

まず、この森に入って来れない。

前にジェラルドを誘拐した犯人は、シロエの手によって処刑された。

マスケット銃で骨ごと砕き、肉片になるまで打ち続けた。


怖い。


無表情で淡々と引き金を引く。


怖い。


空中に展開してあるマスケット銃から繰り出される弾丸が、ジェラルドを誘拐した犯人の身体を蜂の巣にしていく。

犯人が何か言おうとしても聞く耳を持たないシロエ。

「上からの依頼だかけ」とか「俺は悪くない」って叫んでもシロエの顔が変わることは無かった。


俺は、ジェラルドを連れ出し、シロエから「先に森に帰っていてくれ」との言葉を深く追求せず命令どうり動いた。

その方がいいと俺の勘が鳴り響いていたからだ。


後日、カモメ新聞に古くから続く大貴族の家とその取り巻きに領地の民が、一夜にして消えたと乗っていた。


大貴族が開発した奴隷の紋章で領地の民に全てに付けて殺し合いをさせたと書いてあった。

残った民と領主とその家族生まれたての赤子、メイドに執事までもが民の手によって葬りされたのだ。

その領民も何者かによって消えた。


領主の家は血の海。

領主以外の家族の身体は消えて、領主はソファーに座り、白目を向いて大きな口を開けて死んでいた。


シロエは、嫌、始姐は何をやったのだろう?


俺と一緒にいたのに、片手間で大貴族を葬り俺達の痕跡(こんせき)を残さず、何もかも闇に消した。


斎藤もこの事が分かれば………嫌、斎藤はもう知っていると思う。


知らない振りをしているだけかもしれない。

嫌、知らない方がいいこともある。


シロエがジェラルドを大切にする。

ジェラルドもシロエを大切にする。


この2人は、俺達の知らない何かがあると思う。

俺もシロエやジェラルドから信頼される男になりたい。


その為には、今のままでは駄目だ。

今以上に強くならないと。


だが、シロエと剣の手合わせをしても強くなってる感じがしない。

シロエは、「強いよ」って言ってくれるが、全く感じない。


ジェラルドに聞いたことがある。

シロエが、まだそんなに魔法が今程滑らかにスムーズに出来ない時代に剣1本で複数の集団を一夜で潰した。

消したと言うと聞こえが悪くなるから潰したと言っていたが、生きてる人間は一人もいなく皆、肉になっていた。とジェラルドは、笑い誇らしく言っていたけど、シロエは黒歴史だよって困った顔をして苦笑いをしていた。


「剣が折れるだろう?どうしたのだ?」

と聞いたら

「折れた剣は捨てて、敵が持っている剣を手に入れて皆殺しにした。生きてても邪魔だし、利用価値無いし、叫ぶだけしか脳が無い生き物は要らぬ。」

そう言って、シロエは優しく笑った。

その顔が、俺には恐ろしかった。


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