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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
12/149

12、雨

雨が降って来た。

音を立てて。

2時間ほど自室のベッドで横になっていた僕だけど本が読みたい為に書斎に向かっている。

始姐はいろんな本を集めている。

一つの事だけじゃなく今時の本から古代文字まであるんだ。

「本当に雨が降って来た。

ガルーダで飛んで帰って来て良かった~」

(始姐に話をした魔導式コンロの事)

「まさか、魔導式コンロの事を知らないとは。

『魔導式コンロとは何だ?火は出るのか?』って家には換気扇が着いてるから出来るし」

(始姐は本当はコンロと言うものは知っている。

前に絵を書いていたけど、『無い物ねだりだね』ってその絵を破いて燃やしちゃったんだ。)

書斎に着いた僕は、大きな扉を開けた。

中は本。本。本。

天井に高く積み上がった本は、迫り来るのを感じよ。

部屋の奥に小さな人影があった。明かりの魔法で本を見る目はすごく綺麗だ。

「何の本を読んでいますか?」

「これだ」

「料理集?。って始姐まだ作る気満々ですか?」

「当たり前田のクリケット」

「死語です」

ピシャリと切り捨てる僕。

「この料理本を見ながら追加で調味料を入れたら美味しいぞ。きっと!」

(いえ。そんな事はありません。不味くなります。)

「ジェラルドばかりやってもらっては私の料理スキルが落ちてしまう」

(もう、落ちています。)

「ソースのスープはやめた。醤油のスープを作る。だが醤油が少ししか使わないのにどうすればいいのだ。」

(醤油を少ししか使わない?)

「だったら鍋いっぱいに醤油を出せばいいのだ」

(鍋いっぱいに?)

「始姐、お水は入れないのですか?」

「水?。この料理本に水は無いぞ。」

(えっ?)

「見せてもらっても」

「かまわない」

手渡しでもらい本の表紙を見る

「誰でも出来る料理。~水を使います~」

ペラペラと見て水の項目がなかった初めに書いてあるから表紙に書いてあるから中には書いて無いのだ。

「始姐、水を使うと書いてあるよ。」

「えっ、ウソ、マジで・・・

あっ本当だ」

表紙を見てびっくりする始姐。

「もっと分かりやすく書いて欲しいもんだ」

(いえ。一番分かりやすく書いてあります)

「料理は僕が作ります。

僕の作った料理を食べてもらうのが好きなのです」

(まだ死にたくありませんから)

「解ったよ。当分はジェラルドに任せる。」

脱力しながら魔法で本を棚に戻す。

「魔導式コンロが来るまでは私が料理するよ。

塩胡椒を忘れずに」

「はい。」

(ごく希にだけど雨の時の始姐が漠然と怖くて仕方がない。今度は料理本を違う所にまとめておくか、今まさに思案中だ)

僕は本を読む気になれなくて始姐の後を追った

「始姐!」

「ん?」

「紅茶でも飲みませんか。

この前お得パックを買って来たので」

「いいね。お茶の時間にしよう」

「クッキーも残ってますし」

「魔法でお湯を出すよ」

「お願いします」

笑いながら1階に降りた。





始姐の料理は食べたくないなぁ

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