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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
119/149

119、説得力が全く無いな

俺の名前は、斎藤一。

もう完璧に女の身体に慣れた。

左利きの凄腕の剣士を目指してる。

たまに姐さんの剣の相手をしているが、姐さんは自己流。

木剣と木刀の打ち合いでたまに拳が飛んで来る。

10歳の身体なのに拳の強さは、大人並み。

始めはびっくりして呆然。

腹に一発入ってうずくまったよ。

自己流の割には、的確に急所を狙ってくる。


………姐さん。あんた何者よ?


絶対に10歳じゃ無いね。

本当は50年くらい生きているんじゃないか?

もしかして100年生きてる?………まさかね。


ジェラルドと木剣と木刀の打ち合いでも姐さん見たいに拳は飛んで来ないけど、蹴りが飛んで来る。

あんたも何者だよ!


今日は、料理当番。

姐さんが湖で取って来たほどほどの大きさな魚に切れ目を入れて氷を砕いき鍋に入れる。

ストーブに薪をセットして木の皮にマッチで火を付けて、薪の間に差し込みパチパチと燃えていく。

同時進行で米も炊く。

姐さんは、米が炊くのが面倒見たいでいつも強力粉を水でといてナン見たいな物を作るんだ。


はっきり言おう。


「米が食いて~!!」


って叫んだら、その日に姐さんが米をどっさりと買って来たよ。

行動力半端ない。


氷が解けて、野菜を入れてさらに煮る。

鍋こどテーブルの上に置いて米が炊けたら茶碗によそい。マグカップに副長が作った味噌汁を入れる。

「「「「いただきます」」」」

食事が始まる。

フォークとスプーンで魚の身を分けてお皿にもる。

皆でいっせいに一口食べる。

「美味しいですね」

「白身が旨いな」

「うん。美味しい」

「米が旨い。味噌汁が旨い。」

思い思いの言葉を出す始姐、ジェラルド、歳三、斎藤だった。

「斎藤、今度おにぎりを作ってよ」

「米を握るなら誰でもできるだろ?」

と言うと、ジェラルドが小さく首を横に振る。


えっ?

もしかして、握る事すら出来ないのか?

ジェラルドが、顔を近付けて小声で

「料理全般が駄目なのです。米を握る。そんな高度な技術を始姐に求めないで下さい。」

「高度って………」

「始姐に取って、高度なのです。」

「………。」

俺は何も言えなくなった。

「ん?どうした?二人とも?」

フォークを持つ手を止めてジェラルドと俺を見る姐さん。

「いえ。何でも」

やんわりと何でも無いと答えるジェラルドに俺は、

「姐さん。今度おにぎりを作って見ないか?」

「!?」

俺の言葉にビックリするジェラルド。

「いいぞ。ご飯の中に焼き肉を入れればいいのか?」

「!?」

えっ?嫌。普通。梅干しだろ?

それか焼き鮭だろ?

俺は、ジェラルドを見る。

「始姐は、おいしかった物を入れれば旨くなると思っているのです。」

焼き肉………回鍋肉か!?

回鍋肉を入れるのか?

「斎藤。」

副長が俺を呼ぶ。

「何ですか?副長」

「俺はまだ死にたくないぞ。」

ウンウンと頷くジェラルドと歳三にマイペースご飯を食べてる姐さん。

うん。何となくだけど、分かった。

そんな気がする。


後日、始姐がおにぎり?を作った。

鮭の切り身を焼いて中心にご飯が団子の様になって左右から鮭の身がはみ出てる。


姐さんが、「おにぎりがどう言うものか知っているんだが………」と言っていた。


嫌々嫌。絶対に知らんだろ?

ご飯から飛び出した鮭ってどういうわけよ。

「おにぎりがどういうものか知ってる」って言ってたけど、説得力が全く無いな………。


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