117、鬼神丸国重
次元と時空の調整を時間がある時に少しづつ始める始姐。
が、中々うまくいかないので「あ"ー」頭を抱えて大声で騒ぐ始姐。
その間に鬼神丸国重がようやく出来た。
長かった~。
長かったよ~。
歳三の二振りの刀の製作より時間がかかった。
そもそも斎藤一の記憶を読み取っただけで作るのは無謀だと思ったが、出来た。
形は出来た。
後は細部を作って行くところ。
ミスリル鉱石は扱い方が難しい
なので創造魔法と斎藤一の記憶をトレースして作ったよ。
形だけど。
それでも6ヶ月はかかった。
まだ刃は潰しているからこれから切れ味鋭くして、鬼神丸国重が完成。
何でこんなに時間が、かかったのか?
そんなの決まってる。
始姐がスポポポーンと忘れていたからだ。
だから半年間、斎藤一に言われるまで気付かなかったのだ。
「始姐、出来ましたか?」
紅茶をマグカップに淹れてテーブルの上にコトリと置く。
「後は、刃を付けるだけ~。創造魔法でやってる。半年間も忘れていたから超特急でやってと言ってる。」
「後、半年忘れていても良かったのですよ?」
甘やかすジェラルドに「それは駄目だろう?」って顔をする始姐と「何ですと!」とびっくりする斎藤に、空気の様に気配を消す歳三。
「とりあえず、超特急でやるから、ちょっと待ってて、斎藤」
「分かりました。」
表情を変えずに淡々と言う斎藤。
慌てて始姐は、創造魔法で鬼神丸国重を作っていく。
「処で歳三」
始姐が歳三に声をかける
「何だ?」
緑茶をずずっと飲んでいた歳三。
「気配消さなくてもいいよ」
「!?」
歳三が「ばれた!」って顔をした。
結局、ジェラルドの宣言通り、鬼神丸国重が出来たのは、更に半年後だった。
「ごめん。かなり待たせた」
始姐が、謝りながらアイテムボックスから鬼神丸国重を取り出す。
「い、いえ。」
手渡された、刀を鞘から抜く。
艶消しの刀身に映る斎藤の顔。
満足げにニヤニヤ笑う斎藤は、その姿を見てニヤニヤする始姐、ジェラルド、歳三の視線に気付いて斎藤は咳払いして刀身を鞘に戻した。
「何ですか?」
「「「何でも無いよ~」」」
声までニヤニヤが止まらなかった始姐、ジェラルド、歳三、斎藤だった。