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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
11/149

11、ジェラルド2

今日は、ガルーダ便がもうなかった。

買い物に夢中で時間を忘れていたよ。

「えーと、あった、ここだ。日帰り専用ホテル秋桜」

ホテルと書いてあっても10部屋しかない日帰り専用のホテル秋桜。

「すいません。1部屋空いてますか?」

「はい。いらっしゃい、ちょうど1部屋空いてますよ。」

秋桜の女将のシズエに前払いとして金貨3枚を渡して鍵をもらい宿帳に名前を書いて2階の突き当たりに行く。

日帰りだからベッドと小さなテーブルが有るだけ。

「素泊まりだからベッドが有るだけマシだね」

小さいテーブルの上にショルダーバッグを置いてベッドに寝転ぶ

「ふっふっふっ、始姐きっと驚くぞ。何せ今だにストーブで料理してるんだもん。そろそろいいかと思いお金貯めて今日買った。」

(始姐に言ってあの使ってない土間を潰してタイルやら何やらを貼って変えないと)

「やばっ眠くなってきた。もう寝よう」

服を慌てて脱いでテーブルの上に置く始姐からもらったプチ防犯ブザーのような物をドアノブに着けて眠りに入った。




(ここは何処だろう。あんな所に女の人が)

「すいません。」

声を掛けても走っても近付けない。

(これは、)

女性が振り返り一言発した。

「早く帰りなさい。」

「えっ?うわっ!何だ!」

花吹雪が辺りを覆い僕は目を覚ました。

「夢?」

カーテンを開けて外を見る。

外は曇り空でいつ雨が降って来てもおかしくない

慌てて服を着て靴を履いてドアノブに着けたプチ防犯ブザーを回収してから部屋を出た。

ショルダーバックを肩に掛けて受付に鍵を返して秋桜を出る。

「早く帰らないと。」

帰りにキッチンランド火事場により配達の日取りを聞いてガルーダ便の方に足を進めた。

小さな家があり大きな広場のある所にガルーダ便はある。

「すいません。朝早く。始姐族の森まで行きますか?」

「おやおや誰かと思ったらジェラルドじゃないか。ん?始姐族の森。いいよ。昨日シロエさんから明日も飛ばしてくれっとお願いされたんだよ」

「始姐に?」

「ああ『明日は早く来るから雨が降る前にお願い』といっていたんだ。料金ももうもらっている。さぁ乗った乗った」

言われるままゴンドラに乗った僕は始姐族の森に向かってガルーダに連れて行ってもらったんだ。

いつもはゆっくり飛んでいるのに今日の運転は荒い。どれだけ丁寧に飛んでるか良く解る。

ガルーダが躊躇してホバリングしているが何だろう思い外を見ると結界があった。

「ガルーダこのままだと丸焼きになったゃうよ。いつもの所に止めていいよ。」

ガルーダはピィーと鳴くと結界にガルーダとゴンドラが丸々入れる大きな穴があいた。

すかさずガルーダは入っていく

「うわ。おっと。ぐげっ。」

荒い運転でドスンと目的地に着いたようだ。

「ガルーダありがとう。ほらジェラルドはよ出てこんか!」

僕は這いつくばってゴンドラから出てきた。

「よいよい。気にするでない。ガルーダお主は仕事をちゃんとこなしただけだ。また頼むよ。」

始姐がガルーダの嘴に手を置いてニッコリ笑った

「後はこちらからやっておくすぐに帰りんよ。もうじき嵐が来るから」

ガルーダはピロロロと鳴いてゴンドラを持って飛び去った。

僕はまだ始姐の足元に倒れていた。

「気持ち悪い」

「何も食べずにおるからだ朝ご飯なら東屋にある早く食べよう」

始姐はどんなに遅くても必ず一緒にご飯を食べる。優しい人だ。

東屋に行き丸太に座る。

「で、これは何です。」

「パンだ」

(真っ黒焦げです。)

スープを一口飲む。

(スープも味はしません。塩胡椒を忘れましたね。しかも何か浮いてます。)

「どうだ。今日はスープにバターをいれたぞ。今度はソースでも」

(ソース!?)

「だっ大丈夫です。僕が作ります。」

(出たよ。調味料全部入れる攻撃が)

「僕が作るよ。始姐」

「わかった。お願いするよ。」

久しぶりの始姐が作った料理を食べた。

もちろんこの後2時間ほどソファーで横になっていたけどね


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