108、照れる。
ついにキタ━(゜∀゜)━!
研究室にいた斎藤一が、あの円柱の試験管よりも大きい水槽から出てくる日だ。
やったね!歳三も喜ぶよ。
でも、歳三の反応が乏しいのだよ?照れてるのかな?
「今日ですよ。今日!!」
「何が?」
「斎藤一君がこの地に降り立つ日だよ?」
「そうだが?」
「・・・嬉しそうじゃない?」
「・・・」
僕と歳三の話しを聞いていた始姐は、紅茶を片手に笑いながら言葉を発した。
「嬉しいんだよ。只、新撰組の鬼の副長が顔を出しての素直に喜べて無いだけ。本心は「やったー、仲間に会える」と思ってるよ?」
片目を閉じて歳三を見る始姐。
当たりなのか、歳三は気まずそうにして緑茶を飲んだ。
顔が赤い。始姐の言うとおりただ照れてるだけだった。
「素直じゃ無いな」
「う、うるさい」
顔を赤くさせてジェラルドと始姐に言う歳三。手に持っていた湯飲みが振るえてるよ。
「さて、私は、一ちゃんの事やって来るから」
始姐はそう言って家から出て行く。
「ジェラルド」
「はい、何ですか?」
お盆に土瓶と湯飲みと茶菓子を持って歳三がいるテーブルに持って行き、椅子に座り歳三の顔を見る。
「緑茶のおかわりは入りますか?」
「ああ、貰おう。」
コボボボと緑の濃い緑茶を湯飲みについだ。
「何か濃くないか?」
「そうですねか?」
歳三に一抹の不安がよぎる。もしかして、もしかしたら始姐が作った?
意を決して一口飲む。
ゴホッ!!
吹いた!!
「何だ!?この濃さは?」
ジェラルドが土瓶の蓋を開けて中を見る。土瓶には蓋の所まで目一杯入ってるお茶葉。
「始姐・・・」
道理で濃いはずだ。試しに歳三から飲んで貰って良かった。と心で思いジェラルドは、お冷やを持ってきた。
「僕は薄めますね」
緑茶半分、お冷や半分入れて、飲む。
丁度いい塩梅だ。
「彼奴は本当に料理だけはダメ何だな。」
しみじみ言う歳三。
始姐は紅茶だけはうまく作れる。
それは一人分に小分けされているティーバックを使用しているから
初めは1つのティーバックで二人分作った時は、薄い為始姐に聞いたら「1つしか使って無い」と言われ、「あれ、1つで一人分です」と教えてからは必要な紅茶のティーバックをいれるようになり、紅茶だけはまともに作れる様になった。それまでは、水に色が着いただけの白湯だ。本当に料理だけはダメなのだ。死人はまだ出てないが毒体制は確実に身に付く始姐の料理。
(斎藤。シロエの料理を食べても死ぬなよ?)
歳三は、濃い緑茶を口に含んだ。
「濃い・・・」
眉間にシワを寄せて濃い緑茶を胃袋に流し込んだ。