103、怪しい笑顔
始姐が大人の女性?
ナイナイナイ。
どう考えても、ナイ。
始姐は今のままでいいのです。
そんな事を考えている僕。
だって想像出来ないんだよ。
大人になった始姐なんて。
想像できる?
僕は無理だね。
「歳三さんはどう思いますか?」
「ん?」
あーこの顔は何も考えていませんね。
あんた新選組の鬼の副長は何処に行ったんですか?
今、考えてるのは「今日の3時のおやつは何かな?」位でしょうか?
「今日のおやつはおはぎです。アンコたっぷりの」
「おおっ!!おはぎか~」
歳三さん。鼻歌交じりでキッチンに行ってしまった。きっと緑茶を作りに行ったのでしょう。
そう言えば最近、始姐は変わった言葉を使ってる。
"よーそろー"とか言ってる。
何でしょうか?よーそろーって?
聞いたら何やら幕末の時代に使われていた船の言葉らしいのですが、その前に幕末って何でしょうか?
お茶の名前でも無いみたいです。
分からないので始姐に聞きましたよ。
「よーそろーって何ですか?」
「宜しく候をって言って了解、問題なしって言う意味だよ」
「何処で使っていたんですか?」
「船だよ」
「船、好きなんですか?」
「うん。戦艦大和とか武蔵とか巡洋戦艦から戦艦になった金剛とか比叡、榛名、霧島、蒼龍、飛竜は空母。だけどあんまり良く知らないんだ。資料も残って無いから」
「へ、へー」
お盆に土瓶と湯飲みを持って来た歳三は知っている船の名前を言った。
「いろは丸は?」
「いろは丸?」
ジェラルドは首を持ってこてんと傾けて知らない事をアピール。
「あー、坂本龍馬ら海援隊が操縦していた蒸気船だね」
「戦闘機なら一式戦闘機隼、三式戦闘機飛燕、四式戦闘機疾風、が陸軍で、零式艦上戦闘機、略名は零戦や夜間戦闘機月光は海軍が持っていた。あんまり知らないけど」
「「へ、へー」」
ジェラルドと歳三は全く理解出来ていなかった。
「戦闘機って何?」
「僕に聞かないでください。僕だって分からないのですから」
ジェラルドと歳三は顔を近付けてひそひそ話。
「どーたの?」
土瓶に入ってる緑茶を湯飲みについでずずっと飲む始姐。
「いえ、何でも」
「戦闘機って何だ?」
「空を飛ぶ、鉄の塊。ガルーダ便見たいな物だよ」
「始姐はどんな戦闘機が好きなんですか?」
「戦闘機なら零戦だね。戦艦なら大和だね。大和はアニメにもなったから」
「「あにめ?」」
「うーん。動く紙芝居見たいな物だよ」
「「そうなんだ?」」
分かったようで、分からない2人に始姐はせんべいを食べながら笑っていた。
(戦艦大和の46cmの主砲はもうロストテクノロジーだからね。あの時代、空の戦いに戦艦はね。戦艦との対戦だったら・・・。三式弾は対航空だからでも大和にはレーダーがなかったからね。撃つ時に退避しないと死者も出る凄い大砲でも、魔法で何とか出来ないかな?)
「始姐?」
「ん?」
「変な事考えていないだろうな?」
「考えてないよ♪」
(笑顔が怪しい)
(始姐、新しい事でも思い付いたのでしょうか?。まぁ、大抵良からぬ事を考えているんですよね・・・この笑顔が怪しいです)
(大和の主砲の46cm砲を魔法で作ろう。後、三式弾も)