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配布

 ガチャは良い文明、ガチャは悪い文明。

 どちらの言葉に理があるかといえば、それは当然、後者である。

 ガチャシステムの流行と派遣法の改悪こそが現代日本の若者達の経済的苦境を生み出した最大要因と言っても過言ではない。


 人はガチャでは救われない。

 人を救うのは、配布キャラだ。


 事前登録報酬、ストーリー進行報酬、イベント完走報酬、周年ログイン報酬。

 性能は必ずしも額面通りではないが、何しろガチャを回さなくとも手に入るのが強味だ。


 1年の活動期間をトリプレットボーカルにベースのみで過ごした我らが【ライトラッツ】は、ついに配布キャラを迎えることになった。

 ★4新入生である。


 軽音楽部では新入生同士で新バンドを組むのが通例だ。

 しかしこの★4新入生は、何故か本人の強い希望で【ライトラッツ】への加入を希望してきた。


 恐らく、周年ログイン報酬なのだろう。

 というのも、我々はこの★4キャラを迎えるために、何の努力も画策もしていないのだから。


「去年の文化祭で先輩達の演奏を聞いて、この学校に入りたいって思ったんです!」


 どうやら知らない間に何かをしていたらしい。


 バンド名に「明るい(ライト)」と入る割には陰の気配が強い、我らが【ライトラッツ】。

 恐らく「ネズミ達(ラッツ)」要素が強く出たのだろう。

 そこへ満を持して加わった(ライト)属性の5人目は、希望パートを尋ねる既存メンバーに晴々と宣言した。


「ボーカル希望です! 楽器は未経験です!」


 かくして我らが【ライトラッツ】は、クワドラブレットボーカルにベースのみ、という新体制で新たな出発を遂げたのだ。

 なお、★4新入生は眼鏡女子であったため、当バンドの眼鏡率は遂に80%の大台に乗った。

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