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こうして僕は万引き犯になった  作者: 逆無寛彦
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「吐血対策」

 血が混じった嘔吐自体は毎日あったが、ある時、洗面所が真っ赤になるぐらい、コップ一杯分ぐらいの血を吐いた。医師の話では胃酸でどこかが裂けたのだろうとの事だった。僕としても精神的ショックが大きく、所持していた酒を全て破棄した。

 しかし、そう簡単に止められないのがアル中である。結局その数週間後には再び飲酒を始め、嘔吐を繰り返す日々に逆戻りした。以前のような吐血をするのも時間の問題と思った僕は吐血対策として、嘔吐する直前に水を大量に飲む事にした。吐血の原因は胃酸による食道のダメージから来るものであるならば、予め水を胃に大量に入れて胃酸の濃度を薄めればダメージは軽減されるのではと考えたのである。結果として吐血はしなくなったが、飲んだ分の水も一緒に嘔吐するため、まるで蛇口から水が出るように大量に嘔吐するようになった。

 嘔吐量が多いと呼吸が出来ず、嘔吐が少し途絶えた瞬間に呼吸をするというのを繰り返す日々を送った。

 勿論、一週間や二週間ほどの断酒であってもアル中には非常に大変だが、同時に非常に不安定で何時スリップしても酒に手を出して、飲酒欲求が止まらなくなって元通りの生活にというのは誰もが経験する事である。その様なスリップを僕も何十回経験したか分からないし、何百回経験したか分からないという先輩達も少なくない。


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