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こうして僕は万引き犯になった  作者: 逆無寛彦
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「落ちこぼれの雪」

「落ちこぼれの雪」

 その日は雪が降っていた。僕の地元では雪が降る事は珍しい。歩くとシャリシャリと音が鳴る。中学生当時、何度もその道を歩いた。親から言われるがままの進学であったが、それでも私立中学に入学した事に当時の僕は誇りを持っていた。・・いや、誇りと言うよりは安い自尊心と言うべきか。自分は特別なんだと思って公立校に通っている子達を見下していた。だから不登校になってからも、絶対に公立に中学に行くのはイヤだと考えていた。

 不登校になってすぐ引き籠もりになったのも、安い自尊心を持っていたが故に、不登校になった今の自分を誰にも見られたくないという気持ちが強かったのだ。

 以前は私立の高級な制服を着て歩いている事が自慢だったが、不登校になり、引き籠もりになり、鬱病になって統合失調症になり・・。クラスメイトだった子達の多くが名門大学へ進学していったが、僕は絵に描いた様な落ちこぼれになったなと、そうしみじみ思いながら雪道を歩いていた。あの当時は、統合失調症という病名も知らなかったし、アル中やヤク中とも完全に無縁な人生を送ると思っていたが、そう人生は甘くない。落ちこぼれの僕は、更に落ちこぼれていき、底が見えない。でも無い物ねだりをしても仕方がない。


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