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こうして僕は万引き犯になった  作者: 逆無寛彦
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「大人のアトピー」

「大人のアトピー」

 外出できるようになったあたりから、アトピー性皮膚炎がもの凄く酷くなった。これまでも多少の皮膚炎は出ていたが、その様な物とは比べ物にならない物だった。例えば首に出来た皮膚炎は痒みが酷く、掻かないようにガーゼを首周りに毎日巻くのだが、夜になればいつも我慢できずにガーゼを引きちぎって必死に掻き続けた。痒みが無くなってから来るのは痛みである。薄皮一枚無くなっている様な状態の首は、空気に触れるだけでとても痛く、朝まで眠れないのだ。かさぶたが薄く出来てようやく眠れるというのが日常であった。

 耳なども異常に痒く、かたぶたが出来てはボリボリ掻いてかさぶたを剥がし、そしてまたかさぶたが出来ては剥がし、というのを繰り返していたらもの凄く分厚いかさぶたに覆われ、茶色いかさぶたに血の筋が固まった見た目は、当人の僕でも気持ち悪っ、と思うぐらいだった。耳が一回り大きくなって見えた。

 かさぶたが大量に出て来るというのが大人のアトピーの特徴らしい。実際、僕の部屋の床には僕が掻いて落としたかさぶたが積もっていた。そこで当時の精神科の先生が見かねて皮膚科の薬を出してくれた。今までは食わず嫌い、ならぬ塗らず嫌いをしていたが、幼少時には強力すぎるからという理由で塗らなかったその薬を塗ってみたところ、一週間ほどで見違えるほどに治ってしまった。耳も、一週間後には分厚いかさぶたが少しずつ剥がれていき、中から綺麗な耳の皮膚が出てきた。おかげで生活が大分楽になった・・少なくともアトピー面に於いては。


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