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こうして僕は万引き犯になった  作者: 逆無寛彦
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「端書き」「幼児期」

「端書き」

ある日、僕はある古本屋で万引きをして窃盗罪で捕まった。勿論、窃盗を犯したのだから捕まるのは当然であるが、その様な所まで来てしまった32年間の僕の人生にあった出来事・・幼児虐待、アトピー、イジメ、鬱病、統合失調症、薬物依存症、アルコール依存症などの現状を多くの人々に知っていただきたく、この書物の執筆を決意するに至った。

「幼児期」

 僕は生まれつき卵アレルギーで、生まれつき強いアトピーでもあった。赤子の頃から酷い湿疹があり、他人からは火傷なのかと聞かれた事もあったらしい。

 赤子の僕が顔を掻く為に、掻いても傷が付かないよう両手に丸い手袋のような物を着けて貰ったのだが、子供ながらにはやり痒いのだろう。朝になると手袋が血で赤くなっているのだ。そこで母親が徹夜で僕の両手を握っていたらしい。

 二、三歳になった頃、母が、箸に卵が少し付いていたけれど、これぐらいなら大丈夫だろうとその箸で僕に食事をさせて救急車で運ばれた。僕のアレルギー体質は母親が考えていた以上だったらしい。

 以前に父親が、アレルギーの子達が何人も居る場に病院内でたまたま居合わせたらしいが「どの子もお前ほど酷くはなかったわ」と言っていた。

 幼稚園児の頃、保母さんが遠足時に「この子はお菓子が食べられないから、この子が近づいてきたらお菓子を隠すように」と言った。保母さんとしては気遣ったつもりなのだろうけれど、僕が他の子達に近づけば「○○君が来てる、お菓子を隠して」と他の幼稚園児に言われて、疎外感を感じたものである。

 一人歩いていると他の幼稚園児達のお菓子が目に入った。持ち主の子達は何処かに遊びに行っているようで居らず、コッソリ一口そのお菓子を食べてみて、これならお母さんが持たせてくれたリンゴの方が美味しいなと感じた。我ながら健気である。



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