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定番のウインドウ

履いているもの、間違えていました……orz

直してあります。

 人のたくさんいる街に行きたいと思うと、どうにも右の方に行きたくて仕方ない。明るい森で人の通る道らしきものを見つけ、それに沿って歩いているというのにだ。


「なんかスキル的なものが働いている? あっ、ステータス確認しなくちゃ。忘れていたわ」


(どうやるんだろ?)


「やっぱりこれ言うの? 【ステータスオープン】」


 苦笑いを浮かべた私の目の前に半透明のウインドウが現れた。クリアファイルくらいの大きさで文字が浮かんで見える。


 ~~~~~~~~~~~~~~~

 ミーチェ・モーリー

 人族 15歳 女性

 レベル:1

 体力:200 精神:300 魔力:30 運:888 

 鑑定スキル:Lv.1

 錬金スキル:Lv.1

 ~~~~~~~~~~~~~~~


 うわー、名前変えたの誰? 5バツ様? 安易だわぁ。

 私の名前は、森美千恵だったのよ。『も・り・み・ち・え』

 覚えやすくて良いけど。この変換には笑えるわ。

 15歳か。思った以上に若い体ね。体が軽く感じるわけだわ。

 この体力とかの数値って、年齢とか考えるとどうなんだろう? 多い? 少ない?

 私に魔力があるんだ。でも使えないって聞いたよね。他より数値低いし。


「うーん、ステータスウインドウによると私に運はありそうよね。運を信じて右に進んでみようか……」


 何気なく手で払うとウインドウは消えた。

 腰くらいまでの高さの草がワサワサと生えている道の右側を見る。

 手で草をかきわけながら進んで行く。自然と手に触れる青緑色の葉からほんのり爽やかで美味しそうな香りがしてくる。


「やだなぁ。見たこともない葉っぱ見て美味しそうって思うなんて。食べられるってことかな。えいっ、【鑑定】」


 私の手の平よりひとまわりほど大きい葉をブチッと千切り、顔の前にかざした。


「鑑定ウインドウ出たぁ」


 ~~~~~~~~~~~~~~~

 ただの薬草

 体力回復少し

 ~~~~~~~~~~~~~~~


 薬草だった。紫蘇とミントを合わせたような香りのする大きな葉を持っている。


「食べても大丈夫よねぇ。食べ物買う前にこれでも食べてみようか。っと、私、お金持っていないじゃない! 食べ物買えないよね。街に行って家買うとかの前に、お金無くちゃ暮らせないでしょ。そう言えば財布ってどうなっていた?」


 背中のカバンを前にグルッと回して、手を突っ込み、ガサガサと探る。

 自分の顔色が悪くなるのを感じる。

 ムンクの絵のように手を両頬に当てて叫ぶ。


「いやーっ! 私、無一文?!」


 目が宙をさまよう。

 ずっと大人の対応が出来ていたのに、ここにきてまさかのパニック。

 お金が無いことでうろたえるなんて。大人だからお金でうろたえるのか。

 あー、冷や汗がダラダラ出てきた。


「5バツ様、何考えているの。やばいやばいやばい。薬草摘んでおくかな。売れなくても物々交換がきっと出来るよね。楽ちんモードと見せかけてのハードモードスタート?」


 独り言が止まらない。

 右に進みながら、ブチブチ目に付く薬草を摘んでいく。あっという間に抱えきれなくなった。


「確かアイテムボックスを持っているはず」


 薬草を抱えたまま、呟く。


「【アイテムボックスオープン】、うわっ出た」


 右手の先に黒いモヤモヤした穴が現れた。

 両手に抱えた薬草を穴に近づける。穴に入れると薬草は見えなくなった。思い切って穴の中で薬草を離すが、地面には落ちてこない。ちゃんと収納されたようだ。アイテムボックスも手で払うと消えた。


「たくさん入るはずだから、食べられそうなものは収納しておこう。交換できなかったときには自分で食べれば腹の足しになるでしょ」


 右に進みながら気になる葉や実を採っては鑑定して、安全と分かるとアイテムボックスに収納するを繰り返した。

 森の中の足元は悪い。ブーツといえ、運動靴に履き慣れている足では歩き回るのは辛い。

 背の高い枝の絡まり合うような雑草が多くなり、視界が悪くなっていた。かき分け泳ぐように進む。


(失敗したかな。何でこっちに行こうとしたのかな。道もないのに。誰かいないのかっ、)

「なぁ、うわぁっ!」

「わっ!」


 いきなり目の前が開け、道となっていた。そこには馬がいて、驚いた私はしりもちをついた。


(異世界的カラフル髪の毛持ち主さんだわ)


 私が見上げた先には、馬に跨がる水色髪を持つ人物がいたのだった。









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