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お好み異世界優良物件(家)  作者: 妃 大和


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22/59

気配察知スキルは何かをちゃんと感知する

 無心に何かをするというのは、案外と気持ちの良いものだ。

 一区切りついたので、大きな木の下に座ってお弁当を食べる。


「ちょっとパンがパサついているけど、我ながら良い出来だわ」


 喉が渇いたので、【鑑定・くだもの】と唱えてみた。

 辺りを見渡せば、ピンクに色づいた場所が見える。レベルが上がったので見えるようになったようだ。

 その場所に近づけば、小ぶりな桃のような甘い匂いの実がなっていた。手で拭いて、ナイフで一切れ切り取り、かじってみる。ポタポタと果汁が滴り落ちる。充分水筒の代わりになりそうだった。


「鑑定のレベルが上がって探しやすくなったみたいね」


 お腹も満たされ、再度採取に取りかかる前に【気配察知スキル】を使う。


「あれ?」


 目の前の岩の後ろから10メートルほど先に何かが存在している。

(動物ではないわよね。大きくもないけど、ドキドキする……どうしよう。もう少し近づいて【鑑定】すれば何か分かりそうだけど)

 避け玉と火打ち石がカバンに入っていることを確認して、私は岩に近づいた。

 岩は大きく、壁のようになっている。右に行くとひび割れている箇所を見つけた。そこを通り何かに近づく。

 岩の裏側にはハイビスカスのような赤い大きな花が一面に咲いていた。


「うわっ」


 私の目の前を、私の親指くらいの大きさの蜂が通り過ぎた。

(ここのハチ、大きすぎ。怖いな)

 蜂の数がやたら多い。蜂を刺激しないように、ソロソロと危険を感じる何かに近づく。

 そこには小ぶりな冷蔵庫くらいの大きさの平たい板の塊があった。危険はこの中だ。

 私は【鑑定】を使った。


「!!」


 ~~~~~~~~~~~~~~~

 げんこつ親分蜂(♀)

 Lv.8

 怒ると刺す

 貯め込んでいる蜂蜜は美味

 ~~~~~~~~~~~~~~~


 急いで私はお弁当を食べた場所へと戻った。

 震えが止まらない。

 危険を感じた見ていないところには、親指大より大きい蜂がいるはずだ。名の通り、げんこつくらいの大きさがあると思う。


「あれ、丸っこいから大きいけどミツバチよね。スズメバチほど怖くはないはず。こっちから攻撃しなければ刺してこないよね。でも、刺されたらめちゃくちゃ痛そう。うーん、蜂蜜欲しいな」


 元スマホを取りだし、「甘いもの」で検索する。もちろん××ペディアだ。


 ―――― ―――― ――――

 砂糖は、特定の植物の汁を煮詰め、精製することで得られる。他の甘味として、蜂蜜やドライフルーツがあげられる。

 甘いものはどれも高額で取引される。

 砂糖は白いほど高額である。

 蜂蜜は採取された花によって味がかわる。ミツバチの中でも、げんこつ親分ハチの蜂蜜は大きな体で貪欲に大量の花から蜜を採取するので、複雑な甘さが美味とされる。

 ―――― ―――― ――――


 蜂退治といえば、レイモスだ。彼なら【氷結】の魔法で安全に仕留めることが出来る。

 異世界サイズの大きな蜂は駆逐しておいた方が安全だろう。

 みんなが安全になって、私は蜂蜜を手に入れるということだ。

 私は久しぶりにレイモスに会うことにした。


 ◇◇◇


 護衛騎士のレイモスはテニレール商会に国から派遣されていたので、国の騎士団に行けば会えるはずだ。もっとも彼が私に会ってくれればの話だけれど。

 彼の協力が得られれば良いけれど、ダメなら他の氷魔法が使える人の紹介を頼むかギルドに依頼するしかない。


「すぐに受けてくれるかな? 報酬の相場っていくらくらいかな?」


 私は首をひねりつつ、王宮の入口に構えている騎士団詰め所を訪ねた。

 王都の奥深くにあるという王宮はさらに城壁で囲まれている。私のいる場所からは城壁の上に大きな木の先端と尖塔の先しか見えない。さらに手前の詰め所がでんと大きく入口に立ちふさがるように建っている。

 王宮入口には幾人もの騎士が守っているが、騎士団詰め所を襲う者などいないと考えるのか、詰め所の入口には1人しか見張りがいない。


「ケイシュレクセル・レイモスさんに面会したいのですが」

「約束はありますか?」

「私、ミーチェ・モーリーと言います。レイモスさんがテニレール商会の護衛をしていたときにお世話になった者ですが、ご相談がありまして」


 レイモスの名を出した時、見張りの彼は一瞬すごく嫌そうな顔をした。レイモスを訪ねてくる者に対して警戒しているようだった。だから私は丁寧にどこで知り合った者かを伝えたのだ。王都で信頼厚そうなテニレール商会の名も付ければ更に信用してもらえると思っての作戦だ。


「少々お待ちいただけますか?」


 作戦は大成功のようで、私は奥の待合室に案内された。

 他に誰も居ないので、私はイスなど家具の触り心地を調べたり、壁や窓を叩いたりして待っていた。素材と構造の確認である。


「何している。ミーチェ・モーリー」

「は、はいぃ」


 ビクッとしたまま気を付けをした私は、おそるおそる入口を見た。

 そこには相変わらず眉間にシワをよせた水色髪のレイモスがいた。







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