表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お好み異世界優良物件(家)  作者: 妃 大和


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/59

商業ギルドの掘り出し物

 王都で目につく白いドームはオシャルハ神殿と呼ばれていた。ここの地域由来らしい。聞き慣れない音で覚えるのに不安が残るが、見れば分かる形なので行くために迷うことは無いと思う。

 再び人に聞いて、今度は商業ギルドへと向かう。


 手に入れたものを売買するのが冒険者ギルドで、生産したものを売買するのが商業ギルドだろう。

 私が欲しい家は商業ギルドの管轄であっていると思う。では、土地は? 

 土地って個人で買えるの? 借りることは出来るの?


「行って聞いてみればいいことよね」


 メイン通りを下って行けば、冒険者ギルドの近くに商業ギルドは建っていた。

 こちらも石造りで3階建てである。でも使われている石がツヤツヤしているせいか、窓が多いせいか、冒険者ギルドよりずっとあか抜けて見える。建物の前には小綺麗な馬車が何台も止まっていた。

 複雑な模様が彫り込まれた木の扉を押して、中へと入る。

 小ぶりながらもキラキラしたシャンデリアの明かりがまぶしい。


「いらっしゃいませ。ご用件をどうぞ」


 いかにも不慣れそうな私だからか、腰の低いモノクル眼鏡をかけた男性が素早く声をかけてきた。

 家が欲しいので相談に来たと伝えれば、一番左の衝立に隠れたソファへと案内される。


「私はハウエルと申します。お見知りおきを。それでは家は賃貸ではなく、購入ということでよろしいですか?」


 彼は商業ギルドのサブマスターであった。私相手なのに丁寧な姿勢を崩さないことに感心してしまう。

 王都の土地は5割が王族の直轄地であり、残りのうち1割が貴族に下賜されたもので、さらに1割はギルドや国の施設など公共施設に使われているとか。残った3割に市民が住んでいる。

 限られた3割の土地のさらに一部が物件として売買されているそうだ。

 一軒家は店舗の場合が多く、雇われているものや一人暮らしの者は集合住宅に住んでいる場合が多いらしい。まして私のようなまだ成人していない子供が家の購入の相談に来ることは、とても珍しいことだと言われてしまった。


「目標があった方が働きがいがあると思って……すでに建っている物件はやはり高いですね。土地だけ買うって出来ますか?」


 自分好みの家を建てるために錬金スキルも5バツさまから買ったのだ。家を建てる場所があれば上は自分で建てれば良い。


「安く土地が欲しいなら、王都の外なら開拓した土地は自分のものになりますよ」

「安全第1なので、王都の壁の中が良いです。壁近くとか不便な場所でも良いです。あ、治安が悪いのはダメですよ」


 ハウエルは壁際の棚に行くと一冊の分厚いファイルを取りだした。パラパラとめくって、数枚の紙を取り出す。


「王都の西壁近くの王族直轄地の森が、木が育ちすぎたとかで近々売りに出されます。王宮で手を入れるよりも売りに出した方が手間がかからず安く済むとかいう理由でして。更地になっていない分安く買えますよ」


 モノクル眼鏡がキランと光った気がした。


「そこ予約させてください!」


 私は身を乗り出して、立ち上がっていた。

(グッジョブ、サブマス)

 私は心の中で親指を立てたのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 ハウエルから土地の場所の簡単な地図を書いてもらったので、後で見に行こうと思う。

 土地の最小買い取りの大きさは50メートル×50メートルらしい。私が思い描いていた老後の家よりずっと広いが、狭いよりはいい。

(家の他に畑を作ったり、動物も飼えるかな)

 思わず顔がにやける。


「まずはお金を稼がなくちゃね。財布も買おう」


 宿屋の近くをウロウロして、街の様子を見て歩く。庶民的な店が多い。軽食の屋台も所々にある。

 商店街といった感じだ。

 革製品を扱う店で山吹色の巾着袋を買った。何の革か分からないけど、すごく柔らかいのに丈夫そうだった。その中にお金をしまう。


「金運アップには黄色いものが良いんだよね。今日はあちこち歩き回ったし、夕ご飯が美味しく食べられそう」


 お気に入りの小物があれば、テンションも上がるってものである。

 『乙女の吐息』の夕食はグラタンだった。乳製品もこの世界にはあるのだ。生クリームにチーズもあるのだ。

 乙女なおじいさんの料理は愛らしかった。色とりどりの野菜がふんだんに使われていた。何処の世界も女子受けするものは共通するらしい。ビヨーンと伸びるチーズは大変美味である。

『乙女の吐息』の客層は男女半々くらいだった。冒険者のようなグループもいるが、お酒を飲んでいても皆明るく陽気なだけで、誰かにからむような輩はいない。

(あ、飲み過ぎた人はおばあさんに追い出されてるわ。うん、安全安全。大当たりね)

 ただ一つ、やはり宿に風呂は無かった。お湯をもらって拭くしかない。


「異世界あるある。風呂が無いかぁ。トイレはあんなに先進的なのに」


 フカフカのベッドに上で私はうなったのだった。
















ひどい風邪をひいていました。間をおいて書き足したので、始めと終わりの感じが違う感じになってしまいました。でも文章のノリを考えると書き直さない方がいいと思うので、そのままです。

風邪恐るべし。侮るなかれ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ