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詩*見つめて*

ネオン

作者: a i o

路地裏のパサついた猫

呑み屋のさびれた看板

浮かれた熱とおぼつかない足が

行き交うネオン街


不健康で不健全で蠱惑的な匂いに群がる

明日のことなどお構いなしに

誰かの近況と

投げつけあう愚痴

拾う気のない相槌

見せかけの衝動が我先に

後だしの本音はオブラートに包み


抹消された昔の恋人は生き返り

永遠の若さが甦る

分かっている馬鹿馬鹿しさに目を瞑り

解決なんて期待しちゃいない

鬱憤が霧散する

季節外れのパラソルを

くるくるとまわすカクテル


何だって出来たような過去

何も出来ないまま過ぎ去った昨日

誓いあう友情

それが惰性だとしても

すべて許したくなる今宵は

薄らと白い街灯

地上の灯りに霞む月

肩を組んで歩く


今宵ばかりは

愛しているかもしれない世界で

たくさんの寂しさが集う

夜を吹き飛ばす色ばかりのネオン

不謹慎な熱の片隅

疼いてる

愛したい愛されたい愛したい


朝日が昇れば

投げつけあった寂しさの残骸を

磨かれた革靴が蹴散らしていくのだとしても


心臓と同じ大きさのこぶしを開いて

受け入れたがっている

手を繋いで

不誠実な夜の片隅

茶化してる

愛されたい愛したい愛されたい


虚飾にまみれたネオン

暴かれたがっている

胸の内をこぼしても

拾う気のない相槌




路地裏で静かに


あくびをする猫








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