4/7
ナズナ
「……ふぅ……」
男が幻術で気絶したのを確認し、ナズナは立ち上がる。
そして耳に着けていた小型の無線機に手を伸ばす。
スイッチを入れると少女はすぐ、無線の先にいる相手に呼び掛けた。
「サンザシ?」
呼び掛けると一瞬の間を置いて少女の上司であるサンザシの声がノイズに混じって聞こえてきた。
少女は報告を始める。
「……CLを使うまでもなく終わった。路地裏で泡を吹いて気絶してるから回収者をまわして…」
そんな報告と言えるのか微妙な言葉と要求だけを残して少女は一方的に無線を切った。
切る前にサンザシが何か言っていた気がするが聞かなかったことにする。
もう一度男が目を覚まさないのを確認して少女は静かにその場を去った。
少女の名はナズナ。
コラクナを陰で支える組織、アマユキに所属する17歳の少女だ。
そしてこの少女を中心に、運命の渦は全てを巻き込もうと今、動き始めた。




