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【7】作戦会議

「では、作戦を伝えます。バラバラで行動するので良く聞いてくださいね」

『はい』

「はいうさ!」


 悪の集団にばれない様、離れた場所で食事をしながら話し合う。

 暗くなってきたし、早々見つかったりしないだろう。

 ちなみに食料はスレイドさんの荷物から頂きました。ありがたや、ありがたや。

 干し肉だったが、クロがくれたやつより美味い。良い味だった。

 ウサキチは草食なので食べれないけど仕方ない。


「さて、ここに先ほどウサキチさんが作ってくれた即席松明があります」


 倒れていた木の幹を裂き、食料が入っていた袋をばらして布にし、巻いただけの簡単な松明だ。

 残った財布は勿体ないので中身だけ抜いて捨てた。所持金が2倍ぐらい増えてお金持ちになった気分だ。


「油とか塗らなくて大丈夫なんですか?」

「大丈夫うさ。布に樹液を染み込ませたからバッチリうさ。おまけにその木は良く燃えるうさっ。」


 ふむ。野生の知恵ってすごい。

 まぁ持つのは僕じゃないしいいや。


「火をつけたこれをゴロが咥えます」

『俺ですか?』

「はい。それを持って突っ込んで適当なテントに火をつけて回ってください」

『焼き討ちですか』

「悪に遠慮はいりません」


 問題は、松明の明かりが暗闇に目立つ所だが…

 ゴロは足速いし追いかけられても逃げ切れるだろう。


「そ、そんなことしてスレイド達は大丈夫うさ?燃えないうさ?」

「あぁー…そうですね。忘れてました」


 金目の物を頂戴することしか頭になかった。


「目的忘れないでうさ!」


 ウサキチは後ろ足を地面にダンダンさせた。

 可愛い。


「そのスレイドとフィーツとやらはどんな人ですか」

「スレイドは赤い髪と眼で、怒りっぽい性格うさ」

「鬼みたいな人がスレイドさんですね」

「フィーツは白髪に茶色眼で、いつものほほんとしてるうさ。優しくて、甘い物を良くくれるうさ」

「おじいさんがフィーツさんですね」

「違ううさ! フィーツはスレイドと同じくらい若いうさ」


 スレイドさんが鬼は突っ込みを入れないのか。

 今、聞いた内容をゴロに伝える。


「そんな捕虜っぽい人がいたら火は付けず、できるなら解放してください。それと、危険を感じたらすぐに退却をお願いします」

『わかりました』

「ゴロが火を付けている間に、僕が離れたテントで金目の物…とスレイドさん達を探します」

『見つからなかったり、見張りがいたらどうするんですか?』

「仕方ないので、僕も退却します。見張りはキャンプファイヤーを見たら外に出ると信じたいです」


 元々この作戦は無茶苦茶だ。

 上手くいく確率の方が少ない。


「ゴロ、危ない目に合わせてごめんなさい」

『そんなことないです。俺はマオウ様の手下ですし、アイツらを一泡吹かせれるのは嬉しいです』

「そうですか。体に燃え移らない様に気を付けてください」


 尻尾を振って上機嫌そうだ。


「それでは、行きましょう」


 松明に火を付け、ゴロに咥えさせると

 やる気満々の顔で一直線に走って行った。


「僕もノンビリ遅れて行きますね」

「待ってうさ。ウサキチは何するうさ?」


 首を傾げて、問いかける。

 それはもちろん、決まってる。


「ウサキチはそこの茂みの中で、5000秒数えてください」

「ご、5000うさ?」

「はい、声に出さずにお願いします」

「わかったうさー」


 ウサキチはお留守番だ。

 たぶん、連れて行っても役に立たない。


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