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人の身にして精霊王  作者: 山外大河
三章 誇りに塗れた英雄譚
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ex やはり彼女は知りえない。

 どうしてエイジが自分を助けてくれたのか。

 エルにはイマイチそれが理解できていなかったが、星を見ながら何気なく語られたエイジの言葉で、それを知ることができた。


 ただそれが正しいと思ったから。文字通り本当にそれだけだったのだ。

 例えどうしようもない状況でも。助ける対象が自分を半殺しにした様な相手でも。それが正しいと思う事ができたのならば、それだけで彼は動き出す。


 その話を、動機を聞いて。彼がこれまで取ってきた行動を知って。それらが紛れも無く本当の事だと認識したと仮定して、果たしてその思考にどういう反応を示すだろうか。

 例えばエルはそうした行動を取るエイジをヒーローみたいだと評した。その言葉に嘘は無く、実際彼女の目にはそういう風に写っている。自分なんかを救い上げてくれたヒーローなんだと、そういう感情を抱いている。

 それ以外に何も無い。ただそれは誇るべき事と受けとめる。


 では、第三者が同じ話を聞かされた場合、一体どう思うのだろうか?

 誇り云々の話は知らないにしても、行動理念を見聞きしている彼の親友と、彼と共闘した少年は、その話を聞いた時、一体何を思っただろうか。

 何を思い、その先に何を見ただろうか。

 少し考えれば得られる解。その答えをやはり彼女は知り得ない。


「エイジさん、これ凄く美味しいですよ!」


「確かに。これはすげえな……買っといてよかった! マジで良かった!」

 視線の先に見えるのは、自分にとって一番大切な人の笑顔。

 そんな笑顔だけを見て。ただ、目の前の幸せを噛みしめる。

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