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詩集をチクチク刺繍する

100円コーヒー

作者: わだか

紙コップ一杯のコーヒー

北風吹いたマフラーに首を竦めて

すすったら、ミルクも砂糖も入ってなくて

苦くてまずいから、中身そのまま

ゴミ箱に捨てた

冬の道に、幸せを買いたかったのに。

得られなかったと腹を立てながら、ぼくは

100円をむだにしたのか、と

気づいたのは、家でコーヒーを淹れ直してから。


カップ片手にリモコンつけたら、

画面のなかで、フェアトレードだって

すぐ、CMに変わっちゃったけど


百円玉を庭に埋めたとして、

コーヒー成る木は生えないよなぁ

と、ぼくは考えて、


きっとおそらく100円?で

コーヒー豆をつくったひとは

しあわせに暮らせているのかな


と、零したコーヒーの粉くらい、

ほんのちょこっと思った。


それでぼくは、罪にもならない昨日の無視を

同じくらい、ちょこっとだけ、思いだす


学校は募金週間で、

校門で寄付を集める人たちの

早い朝、「いいこと」するのも面倒くさくて

無視したぼくは、あれがなにを求めて

だれを助けるお金だったのかすら

しらないままだ


100円コーヒーで子どもが何人救えるだろうか

円高やら円安だとか知らないけど


100円の価値を、コーヒーに変換し捨てたぼくは

やっぱり100円に泣いたりできない


だから、塾の帰り道

幾万費やす意味無く通って、

つかれたといって、コイン一枚のコーヒー買って

捨てられるのだもの


ぼくがこのコーヒーを買わなくても

誰も救えやしないけど、


あのときぼくが捨てた100円コーヒーで

子どもが何人救えたとして、

僕は何人見捨てたのかな、

…かなぁ。

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