第二話 仲良し
「なぁ、」
「ん? 何……?」
「そのっ…鈴谷は…好きな人とか…いるのか?」
「∑え!?//」
「あっ・・・いや・・・その・・・」
未来はこの時“翔が好きなのかもしれない”そんな思いが芽生えた。
「え・・・えーと・・・気になる人ならいるかなー?」
「・・・そっか。ありがと」
――なんでそんなこと聞いてくるんだろう。
すると、“私のことが好きなの?”という結論にいきつく。
しかし、“いや、それは絶対にない。変な期待を抱くな”と、自分に問いかけ、その考えを全て消し去った。
――よく考えれば、それなりに仲のいい人とならこういう質問もよくあるよな・・・
そう思いながら、また何度か会話を交えていた。
本とうにたわいもないよくある会話。
そうしているうちに、バスは学校前で停車した
二人が同時に教室へ入ると少し教室内がざわつく。
「やっぱあの二人ってお似合いだよね」
「付き合ってるのかな?」
等の女子の囁きが未来の耳に入ってくるが、鈍感な翔の耳には一切入っていないようなので、未来も一切聞こえないフリをした。
「未来ー! おはよ♪」
「おはよー!」
「俺にはなし!?」
未来“だけ”に挨拶をしたのは、未来の大親友、沢村結。
最近、未来の助けもあり、隣のクラスの野球部の人と付き合っている。
「へぇー…今日も一緒に来たんだー…?」
結がニヤニヤと未来によってくる。
未来より若干背が高いため、すこし見下ろす感じでもある。
「∑っ・・・///まぁ・・・家近いし」
「そうそう、俺、たまにバズ寝過ごしたりするから、鈴谷いると助かるんだっ!」
「それ、ただのバカ。」
「・・・グサッ」
「・・・そ、そういう結ちゃんこそ彼氏さんと学校来ないの?」
「行きたいけどー・・・家、遠いからさ、二人で出かけることはあっても、登下校は一緒じゃないの」
「そっかー・・・」
「じゃぁ、俺と鈴谷が付き合ったらさ、ずーっと一緒ってことじゃね!?」
「∑っ・・・!?////」
「あら、」
翔はかなりの大声で叫んだため、また教室がざわめく。
しかし、これはさすがに鈍感でも聞こえたらしい。
「あっ・・・、やべっ///」
「そうねー、だから“付き合えば?”っていつも言ってるんだけどなー・・・?」
「・・・第三者は口出ししないでください///」
「あ、そういう冷たい態度とってると、あとで協力してって言ってもしてあげないから、小田君でも小田くんでなくても」
「・・・今のところ、協力は必要ないです」
「うむ、よろしい」
「ねー、何の話ー?」
女子二人の会話に置いていかれるのはいつものこと。
「「女子のひみつー♪」」
このセリフを言われてしまったら男子は手も足も出ない。
「・・・そっか」
((キーンコーンカーンコーン♪))
「あ、じゃぁまた昼休み、」
「とか言って結ちゃんは彼氏とご飯でしょ?」
「うっ・・・うるさいっ//」
「ん、りょうかいー」
未来は授業中もずっと気になっていた。
鈍感にしても
『俺と鈴谷が付き合ったらずっと一緒』
この言葉はどうしても胸に引っかかる。
朝のバスと同じ、“もしかしたら私が好きなのかもしれない”という期待・・・
「鈴谷・・・?」
「∑・・・はいっ!?」
「・・・何その反応、おもしろっ」
「・・・失礼なっ」
「うそ、なんか考えごとしてたみたいだからさ」
「あ・・・うん」
「あんまりぼーっとしてると先生に指されるから気をつけろよ」
「・・・そうだね、まさか小田くんに言われるとは思わなかったけど、」
「∑なっ!? 失礼だなお前!? せっかく心配してやってるのに!?」
「∑っ!? そんな大声出しちゃだめっ!!」
・・・もう遅かった
「小田、鈴谷、うるさい。 あとで職員室に来なさい」
「「・・・はい」」
また少し教室がざわつく。
「やっぱり仲良しじゃん♪」
結は楽しそうに、二人にウインクをした。




