第九話 好き
☆翔side☆
今日も部活をサボった。
元々月1で調子が良くても半月に1回ペースでしかでてないし、
でなくてもスタメンは余裕で入れると思う。
こんなにサボってるけど一応エース。
いつもはめんどくさいし、でなくてもエースでいられる自信があるからサボる。
だが今日はちゃんとした理由がある、
“サボり”ではなく、“欠席”と呼んでもらいたいほど。
・・・っていうか沢村は一体いつ来るんだ!?
よく考えてみれば時間を決めていなかった・・・
まだ待って数分だけど、沢村は部活入ってるし・・・
部活終わるまで待たされるのか俺・・・!?
そう思っていたところ・・・
「お、いたいたー・・・なんか犬みたい」
「犬っ!?」
「うん、ハチ公みたい」
そう言ってクスクス笑い出す。
どうやら沢村は部活を欠席した様子。
「さて、行きますよー子犬ちゃん♪」
「うっ・・・うるせぇっ、撫でるなっ!?」
なんでみんな俺のことを小動物だとか、弟だとか・・・
ちっちゃいもの扱いするな!
身長は平均より上だ!
学校を抜けると沢村はバス停には向かわず、普通に歩いている。
俺の家に行くにも、沢村の家に行くにも、バスには乗らなくちゃいけない。
・・・どこにいくつもりなんだ?
「・・・どこ行くんだ?」
「子犬ちゃんは黙って散歩されてなさい。あんまりわんわん吠えるとほかの子犬ちゃんが怯えちゃうでしょ」
真顔で平然と言い放つ。
身も凍るような冷たい視線・・・!
こいつドSすぎだろっ!?
「子犬じゃねーしっ!!」
「あー、うるさいうるさい、ほらコンビニついたわよ」
・・・コンビニ?
「・・・なんでコンビニ?」
「さみしいって言ったのはあんたでしょ? 未来のお見舞い、連れてってあげようと思って」
「・・・あ、はい、ありがとうございます。」
「さて問題です!!!」
「え。」
さっきの冷凍ビームのような視線とは大違い、
楽しそうにキラキラと輝いた目で俺を見つめてくる。
「未来の好きなスイーツはなんでしょう!」
「知らん。」
「即答するなっ!」
「いや、だって知らないものは知らないし、スイーツ興味ないし。」
「面白くないのー、」
「面白くなくて結構。」
立場が思いっきり逆になってる気が・・!?
なんなんだこいつ・・・
「正解は、みかんゼリーでしたー」
「・・・で、それを買ってお見舞いに行くってことか?」
「そうそう、」
楽しそうな沢村とコンビニに入った。
「わぁー、これもおいしそうかもー♪」
・・・女子ってスイーツ好きだな。
「未来が好きなのはー・・・コレっ!」
・・・よっぽど鈴谷が好きなんだなぁー・・・
俺も人のこと言える立場なのかわからないけど。




