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油断大敵だよ

外に出てみたが、どうすればいいか分からん。


「勢いって大切ですよ」


方耳イヤホンのマイクつきからカンナが勇気づけようと言ってくれる。


「そうだな…」


と、マイクに向かって話しかける。


まぁ、とりあえず歩くか。


僕は自分の高校の通学路と反対の方向に歩きだした。


その間カンナにモビルフォンウォーズについて分からなかったことや疑問に思ったことを聞いていった。



∇▲∇▲∇



日が傾き始めて、早めに帰ってくるサラリーマンやパート帰りの女性もいる。


刹那、携帯がピーピーと鳴りだし、そしてその音は戦いを告げるものである。


「奏太様、いきなりみたいです」

「分かってる」


周りにいたサラリーマンやパート帰りの女性も、都市部へと向かっているバスなども消えていった。


残るのは自分と、使われていない車や無人の家である。


「やぁやぁ、君達さん。私と戦ってくださいな」


挿絵(By みてみん)


声のする方向へ視線を向けると、電柱に白い布のようなものを巻きつけ、まるで一本の鉄のようになっている白い布をまたがっている女子がいた。


銀髪のツインテールで、服装はピンクと白を強調としたフリルがたくさんある、メイド喫茶の人達が着ていそうだ。


「そんな見られると緊張するな~」


せっかく気合いを入れて外に出てきたのにいきなり気の抜けたツインテールが来るとは、カンナも呆れているようだ。


ツインテールが「よっ」と言いながら白い布から降りて、地面に着地する。


「まぁ、戦いなんでー、行くよ」


間の抜けたツインテールの声がする。


「武器【蛇布】スキル【蛇拘束】」



ツインテール

【残容量:10000MB】-(【蛇布:200MB】+【蛇拘束:50MB】)=【残容量:9750MB】



と、ツインテールが言うと両手には白い包帯のようなものが片手に五本づつあった。


次に僕の両手が後ろで結ばれる。


「油断大敵だよ」


ツインテールが笑いながら両手を前につきだすと、さっきまでただ下に垂れていた白い布が蛇のようにうねりながら僕のもとに近づいてくる。先端は尖り、勢いが強くなる。


ツインテールは何度か戦ったことがあるようだ。


「スキル【五月雨】」



奏太

【残容量:10000MB】-【五月雨:300MB】=【残容量:9700MB】



すると、空から空気を切り裂く音と共に無数のクナイが降ってきた。


僕に飛んできていた【蛇布】は空から降ってきたクナイによって地面に張り付いていた。ツインテールはバックステップで一メートルほど下がり、クナイを避ける。


「武器【雷神の短剣】」



【残容量:9700MB】-【電雷の短剣:500MB】=【残容量:9200MB】



縛られた右手にいつものなにもない鉄の短剣の刃に金色の雷のマークが彫られている【電雷の短剣】をだし、手首をスナップさせて縛っている白い布を切り裂く。


自由になった両手を感覚的に確認すると、僕は地面を蹴り、ツインテールに向かって走りだす。


「スキル【蛇布】」



ツインテール

【残容量:9750MB】-【蛇布:200MB】=【残容量:9550MB】



同じようにツインテールは両手に白い布を五本づつ持っていた。その【蛇布】はまるで意思を持ってるかのようにうねりながら僕の両手を押さえようと飛んでくる。


僕は六本を切り落とし、三本を避けて、一本を左手でつかむ。左手を後ろに引っ張ると、ツインテールはバランスを崩し少しだけ前によろめく。


その隙をついて僕はツインテールとの距離を詰める。


「スキル【雷斬り】」



奏太

【残容量:9200MB】-【雷斬り:100MB】=【残容量:9100MB】



僕はツインテールの頭に向かって雷を帯びた短剣を横に斬ろうとするが、ツインテールは地面を横に蹴り、地面に手をつきながら体をひるがえし、紙一重で避ける。


その瞬間、僕は奇妙に笑ってるツインテールが見えた。


パァンッ!


急に僕の右のこめかみに向かって銃弾が当たったのだ。痛みは無いものの衝撃が物凄い。左足で体を支え、いったんバックステップをして周りの状況を見る。


まずツインテールはあの体勢から僕のこめかみに向かって銃を撃つのは不可能だ。それに見た感じツインテールは僕と同じの接近、中距離系の武器やスキルを使う。ということは分かることは一つ、仲間がいる。


「気づいてくれた?」


ツインテールがにこやかに話しかけてくる。


「仲間がいるんだろ?」


僕はそう言いながらツインテールの首もとを見る。


「奏太様、やはり目は合わせられませんか」


カンナが呆れてるように話す。


「しょうがないだろ。緊張するんだから」

「なに一人言でブツフツ言ってんのかな?」


ツインテールが不機嫌そうにこっちを見てくる。


僕は慌てながら臨戦体勢になる。

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