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夢じゃありませんよ

「あの、えっと…すみません」


耳元でまるで全てを包んでくれるような温もりがある女の声だ。カンナではないし、分かった、天使か。


いや、そんなはずはない。きっとあれだ、目覚ましの時間を僕が間違って設定してしまったやつだ。僕が家でつかってる目覚まし時計は、アニメのキャラクターが優しい声で起こしてくれる機能を持った代物だ。いやしかし、こんな声のキャラクターなんていたっけか。そうだ勘違いしないように言っとくがオタクではない!


「奏太様~、時刻は八時三十五分ですよ」


カンナが呆れてる様な声で言ってきた。八時四十分だからどうしたんだと言うんだ。いつもは十時ぐらいまで寝ているからいいじゃないか、しかも用事がある訳でもないし、行かなければいけないとこだってない…し……。あれ、そういや僕って高校に来た様な気がする…きっと夢だそう夢だ。目の前にクラスの女子が僕の顔を見ていて、周りには先生も合わせて大集合しているこの状況はきっと夢だ。


「えっと…奏太君だよね。あ、あの私が席に座れないかな、なんて」


無理矢理笑顔を送りながら僕の目の前にいる女子は言ってきた。


僕はどうすればいいんだ。すでに周りの人は僕が起きていることがばれているし、僕の座ってる席がまさかの和也のではなく、女子の席だったとは…どうすれば良いんだよ!


「えっと…すみません」


僕はそう言いながら立ち上がると視線がいっそう強くなった気がした。こういう場合不良とかだと、周りの人は後ずさったりするのだが、何故かどかない。わざわざ人を押し退けて外に出ていこうとするが、出来ない。なんて固く僕を拒むの!?先生はこっちをじっくり見てるだけだし、和也に限っては…寝てやがる!


「こ、こうなれば」


僕は僕の事を見ていた女子の首を後ろから腕を通す。



∇▲∇▲∇



これは駄目だ!僕の未来が危うくなる!


「カンナ、どうする?」


小さな声でイヤホンに付いたマイクを通してカンナに話しかける。


「えっ、知りませんよ!そもそも奏太様が寝たのが悪いんです」


唯一相談できるやつにも見捨てられた。どうしようか…。


ここはまた寝てみよう。そう狸寝入りをしよう。というか、いつまで僕の事を見てるんだよ!冷や汗がだらだらだよ!


僕はさっきまで寝ていたかのようにゆっくりと目を閉じ、顔を机に突っ伏して腕で顔を隠した。


「えっ?え、え?」


すみません天使のような声を持つ女子生徒さん。僕はこうするしかないんです。


「奏太様~どうするんですか?」


こっちが聞きたいよ!頼む!これは悪夢だった。と夢から覚めてくれ。目覚めろ自分!さぁ今だ力を解き放て!じゃなくて、僕を悪夢から解き放て!


「夢じゃありませんよ」


カンナアァァァアァ!ちょっとした希望を叩き壊さないでくれ!つうかなんで僕の思考を当てられるんだよ!


というかヤバイよ!今回の話が全然進んでないよ!ごめんね!今回はこれで終わっちゃいそうだよ!ただ僕の思考を見るだけだよ!つまんないでしょ!


そうだ、こういう時は時間が解決してくれるはずだ!


なんかエクスクラメーションマークが多くてごめんね!なんかテンション上げないと死にそうなんだよ!


「奏太様、全然話が進んでないような気がしますが…」


やっぱりそう思いますよね!やっぱ僕がなにかを起こさないといけないんだよな…と、言ってみたがなにこれ!?そんな決まりなんてないよ!なんか「地球は僕を中心に回ってる」を言ってそうなキャラだった!


なんか起きてくれ…。つうかいつまで僕の事を見てるんだよ!そんな暇があったら単語の一つでも覚えてろよ!


「奏太様~、良い知らせですよ」

「なんだ」

「まずは一回周りを見てみてください」

「どうして」

「エリアが指定されました」


エリア指定…。あれか、エリアが指定されると周りのモビフォンのアプリをを持ってない人以外は消えるやつか。よっしゃあ!


僕は勢いよく立ち上がる。


「わっ、はぁ~やっと起きてくれた」


この声はあの天使のような声を持つ女子生徒さんだ、もしかしてこいつがそうなのか。


「才藤君…」


担任の声がする。こいつもだったか。


「おいおい、奏太本当にどうしちまったんだよ」


和也の声だ。まぁ当たり前か。


「「「「「「ざわざわ」」」」」」


その他エキストラさんの声がする。


ちくしょう、このクラス全員がアプリを持ったいたのか。


いや、違う冷静に考えてみろ。カンナが僕にエリア指定されたと言ったとき警告音はでていなかった。つまり、これは…。


「奏太様、嘘ですよ」


終わった…あの考えた展開になってしまうのか…。いや、まだだ。


「えっと、席どいてくれませんか?」


横から天使のような声を持つ女子生徒さんに言われた。


「ほ、本当にすみましぇん!」


噛んだ!


「お、おかまいなく」


苦笑いだ!


「才藤君、君の席はあそこですよ」


そう言いながら担任は金髪の女子がいた窓側の一番後ろの席の隣を指差した。


僕はすぐに下を向きながらその席まで歩き、座る。


「おい」


僕は自分のできる限りの恐い声でマイクに向かって言った。


「すみませ~ん。でもこうしないとずっとあのままでしたよ」


言い返せない。僕は一生分の恥をかいたようなきがした。

本当に進みませんでしたね。いつもはペースを早めにするためにこんな風に書かないんですけど、高校が始まってしまい、初日にテストがあって、夏休み前の模試の結果を渡されたりと、嫌な日だったので、書いてやりました。


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