シリーズについて
シリーズものの作品って凄いと思います。二十巻も三十巻も続いているシリーズとかもう半端じゃないですよね。具体的に言うと『とある魔術の禁書目録』とかそこらへん。『ズッコケ三人組』とか『怪談レストラン』とかはあそこまで出したらバケモノクラスなのであえて触れません。児童書だし、という理由も少しありますが、一番大々的な理由は自分が全巻読んだことがないから。『ズッコケ三人組』は『中年ズッコケ三人組』しか読んでませんし、『怪談レストラン』なんかは触れたこともありません。一回チャレンジしてみるのも一興かも。今度頑張ろう、今度。
では、今回はシリーズものの作品についてです。
小説という媒体は基本的に一冊で終了するのが基本です。一冊のなかに起承転結を織り交ぜ、伏線を組み立てて話を展開させる。最後の一ページまで目を離せない展開が続き、そして綺麗に終わらせる。たいていの小説というものはそうだと思います。まあただし、普通の小説において、ですが。
例えば『伊坂幸太郎』先生。『陽気なギャングは地球を回す』という作品を出版し、後に続編を書きあげてくれました。『魔王』の続編にあたる『モダンタイムス』なんかもそうです。しかし、それまでです。三冊四冊、ましてや十冊二十冊も書くなんてことはほぼありえないです。『石田衣良』先生も『4teen』やら『池袋ウエストゲートパーク』などで続編を出していましたし、『東野圭吾』先生も『探偵ガリレオ』から始まるガリレオシリーズで五作くらい出していましたが、やはりそれまで。二十冊など、有り得ない数なのです。
けれども、ライトノベルというジャンルにおいてはそれが起こってしまいます。というか続編が出ることが前提で書いてる作品がほとんどといったところでしょう。かの有名な『成田良悟』先生が『がるぐる!(下)』のあとがきにおいて「この作品はデビュー作『バッカーノ』以外で初めて立ち上げた企画の作品なので」とかなんとか書いていたところから察するに、ラノベ界では恐らくシリーズものを書くのが当たり前、寧ろシリーズものを書くなとかいうスタンスで作品を出しているのではないでしょうか。一冊で終わる作品は人気がなかった、だからもう一度チャンスを与えるから二作目を出して人気を博してシリーズを刊行しろ。そんなことを編集さん達が言っているように思えてなりません。
確かにシリーズ化するのはいいです。主人公含むキャラ達をより深く、何度もみることが出来ます。何冊も通して一本化させた大々的な伏線、というのも作りあげることも出来ますし。まあシリーズもので完結状態の作品をあまり読んだことがないのでよく分からないのですけれど。
しかしです。
シリーズ化して本当の完結を読めるのが何年も先になるのはやめてほしい。
作者によってはシリーズ化している作品を二,三冊出しておいて放置し、他作品の執筆にとりかかる人もいます。『成田良悟』先生や『西尾維新』先生などなど。もう本当にやめてほしい。『デュラララ!』早く終わらせろ! 『新本格魔法少女りすか』でも『ぼくの世界』でもいいからとっとと最終巻出せよ! 『とある魔術の禁書目録』とかのレベルまでいくともう論外です。早く、本当に早く終わらせろよ!
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プロでもなかなか終わらせてくれないシリーズものの小説。
そういう現状があるが故に、自分は完結したらその作品に一切触れないよう心がけています。時々思うんです、軽い番外編くらい書いても良いんじゃないのかと。ですが一度それを書いたら多分止まらなくなる。それで他作品の更新が滞る。ただでさえ遅筆なのに。