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ラノベと携帯小説について

(例一)

 僕の名前は昼間用一。デイ門学園に通っている高校二年生だ。


(例二)

「アル。大好き」

……私はあれから空に恋してます。永遠に。

「ねえ、みてる?」

私ね。思うんだ。

あのときのこと。あれは、アルが……。

あのね、アル。

あのとき、私があなたの魂とエドの右腕を等価交換した時……。




 はい。唐突にすいません。右記に書かれていることはとりあえず無視してやってください。書かれている名前とか内容についてはぱっと思いついたまま書いているんであまり気にしないでくれると嬉しいです。

 先日、映画『恋空』がテレビで流れていたので録画してみました。前評判があまりにもひどかったので、逆に観たくなりまして。クソゲーとかB級ホラーとかみたくなるあのなんとも言えない感情がテレビ欄を読んだ瞬間自分を襲ってしまったのです。映画館では観なかったのか? ああ、観る友達とか相手が居な……いやいやなんでもありません。

 で、なんとか観切りました。携帯電話に夜な夜なかかってくるストーカー男から始まり、図書館でR15とか18くらいのことをし、お花畑でレ○プされたりしてましたが、まあ、うん。色々ありました。

 ガッキーの演技がちょっと微妙だったかな。三浦春間と小出恵介の演技は最高だったのに。小出恵介が可哀想過ぎて泣けました。ミスチルの主題歌も最高でしたね。

 恋空=小出慶介+ミスチル

 この計算式が最後には成り立ってました。


 前置きが長くなりました。

 えー、世の中には「ラノベ」という所謂ライトなノベル、軽いノベルと断定されている小説と、携帯小説という横書きの小説が存在します。どちらも昔の日本では存在しなかった画期的な手法の小説でして、この二種類の小説のおかげで現在の若者達は活字離れをあまりしなくなったと言えるでしょう。それ程この二種類のもつ力はすごく、一度はまったらとまらなくなるのです。

 

 ですが。

 軽い小説と呼ばれ。携帯の小説と呼ばれ。

 この二種類の小説世界では、あまり文章の上手さが重視されなくなっていると思うのです。


 右記の(例一)を読んでみてください。名前や文章などは違いますが、この「小説家になろう」サイトでもあまりやってはいけないとされている、一人称の地の文中に主人公が自己紹介する、という作品が本当にありました。しかも電撃文庫です。図書館で置いてあったので裏表紙を観てみたら五百二十円でした。本気かよ、と思ってしまった次第です。

 このようにラノベでは、面白ければ文章は二の次、となっていることが多々あります。何がそう、とはいいませんがアニメ化した作品にもこれが当てはまるんです。おいおいマジかよと。いいのかそれで。いつまでも軽い小説と言われ続けていて本当にそれでいいのかと。

 この状況に反旗を翻そうとしたのが『乙一』先生です。『乙一』先生はなんとかラノベの地位を上げようと、純文学の短編集をわざと角川スニーカー文庫(ラノベを多く発刊する文庫です)から出版していました。絵も普通で、表紙だけみたら普通の小説と見間違うことでしょう。……普通の小説という表現がはたして正しいのかわかりませんが。


 続いて、(例二)を読んでみてください。これは携帯小説の表現を真似たものです。某錬金術漫画とは一切関係ないです。すいません。

 携帯小説は携帯で読みやすくする為、あえて文の最初の空欄をいれずに書きます。そして、読みやすくするためにあえて情景描写をおざなりにし、あえてポンポンと話が進むのです。自分は実際に妹が買ってきた携帯小説を読み切ろうと意気込んだのですが、思いのほか顔がヒクヒクとひきつり、ものの十ページでダウンしてしまいました。あまりにも。あまりにも情景描写をカットしすぎなのです。


 この二つの現状。巷では、ラノベ、携帯小説とくくられ、完全に放置されています。ラノベと聞くと世のお偉いさん方は「ああ、あのイラスト付いた奴? で、何? 直木賞? 何言っちゃってんの」と完全にバカにし、携帯小説と聞くと「ああ、あの病気の奴? 何何? 直木賞? ハンッ」とバカにされます。

 しかし! 本当にこれでいいのですか!

 ラノベやら携帯小説とバカにされつつも、実際には金で売買しているんです。立派な小説な筈なのです。それなのにラノベと聞くと一般人は白い目で見て、携帯小説と聞くと大人は敬遠します。映画化したにも関わらず。

 

 ラノベと携帯小説。

 この二つは全く違えども、受けている境遇は一緒なのです。

 『乙一』先生のようなことをしてくれる作家は他にはでてくれないのでしょうか。いやあの、なにも実写映画化して一般の票を集めろと言っているわけではないんですよ。だから某半月とか某みーまーとかの実写はちょっと……。


 とにもかくにも、プロの作家さん達にはぜひとも頑張ってほしいところです。



 …………




 正直自分は携帯小説が苦手です。というか読み切ったことがありません。しかし映画『恋空』を観て、感動したかどうかはとりあえずとして、携帯小説という媒体で映画化するのは凄いなと思いまして。で、世界の何百人かを感動させることができるならそれで充分じゃないですか。

 今まで携帯小説をバカにしてきました。ですが、これだけは言える。少なくとも、携帯小説も小説なのだと。

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