経験値について
むかーし昔、自分は中二病にかかりました。キッカケは「お前も書いてみない?」の一言。そこから泥沼生活が始まる訳なのです。最初は某ガンツみたいな世界観の超能力作品。「能力召喚!」って主人公に言わせてほっこりしてた自分、ああ哀れ中二病。次に書いたのが死んだ後天使に会ってもう一度生き返る為の試験を受けるまんま『幽遊白書』設定。キャラ無駄にふやしーの主人公の相棒変態ーの。書いてて無茶苦茶楽しかったけど友達には「コメディいらねえ」と言われ。その次に書いたのが、天国と地獄と中国(現世。天国と地獄の中心だから中国だったような)につながる三つの巨大な門と、それを守る門番のお話。初の女主人公目指したら門番に惚れたなー確か。構成がぐっちゃぐちゃでしたね。そのその次に書いたのが三十世紀の世界で行われるファンタジー冒険記。もうね、わっけわかんねーといいう感じでした。
そんなこんなでカオスな生活を歩んできた学生時代。ああああ、今思い出しても恥ずかしい中二病。全くけしからんです。あんな感じの何も考えない執筆は二度としたくない。
まあそうは思いつつもやはりそういう過去のおかげで今の自分がある訳でして。
一作目では最初会話文を『』にしていました。二作目に「」にしました。
二作目では三人称と一人称がごっちゃになってました。三作目では三人称オンリーにしました。
三作目では何も考えずに書いてました。四作目では少し後先考えつつ伏線置くことにしました。
四作目では小説作法を全く守っていませんでした。五作目では小説作法を調べて遵守しました。
そうやって色々な作品を書いていって学んでいく小説執筆の技術。この道に恐らく限界はないのでしょう。プロの作家さんでも凄い人は山ほどいますが、それでもレベル百まで到達している人はいません。いや、レベル百に達していたとしてもレベル百一になるよう努力をするのが真のプロなのでしょう。
自分はこれまでに「これは百点だ!」と断言できる作品を四作読みました。
『伊坂幸太郎』著『ラッシュライフ』
『森見登美彦』著『四畳半神話大系』
『西尾維新』著『きみとぼくが壊した世界』
『五十嵐貴久』著『2005年のロケットボーイズ』
この四つの作品は自分の中で最強の布陣で、これらを書いた先生全員を自分は尊敬しています。でも。百点の作品を書いたにも関らず、この四人の先生方はまだ書き続け、そして切磋琢磨を繰り返しているのです。
執筆に経験値はあれども。
達しうるレベルに限界はない筈です。
…………
因みに今、自分は似非近未来で生活する男の部屋に屋上から女がやってくるSF作品を書いています。って、あれ、中二病じゃねこれ。