作品間リンクについて
作品間リンクが大好物です。
作品間リンクとは、同じ作者が書いている作品内で繋がっている部分がある、ということです。この場合の作品間とはあくまでもシリーズを別にした作品間でのこと。ある作品で脇役だった登場人物がほかの作品で主役をはっていたり、ある作品で軽く出ていた単語がほかの作品で主な舞台設定になっていたり、そういうことを指します。
作品間リンクで一番いいのが、なんといっても読めば読む程面白みが増すという点につきます。言うならば作品間リンクは作者が出来る最大の読書サービス。これを読んでればこの人の過去がわかるよ、これを読んでいればここで出てきたちょろっとしたやつがまさかの伏線になっているのが読みとれるよ、というなんともいえないありがたさ。最高。作品間リンク最高。
作品間リンクで有名な作家は、いわずとしれた『伊坂幸太郎』先生でしょう。伊坂先生は一作目『オーデュボンの祈り』から出てくる登場人物やら登場人物が言っていた自分の考えを他の作品にも登場させています。二作目『ラッシュライフ』では『オーデュボンの祈り』で出てきた主人公の「運命は神様のレシピ」という素晴らしい論理を知り合いの絵師という男に語らせています。伊坂先生はこのような作品リンクを巧みに全作品においてはりめぐらせており、その技量は感動の一言につきます。『ラッシュライフ』で自分が好きな脇役が『フィッシュストーリー』内の短編で主役をはっていた感動はいまだに忘れることができません。
作品間リンクがある作者で他に有名なのは。
本屋大賞二位を受賞した『夜に短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』で有名な『森見登美彦』先生。
映画化ドラマ化された『チーム・バチスタの栄光』シリーズで有名な『海堂尊』先生。
今秋にアニメ化するらしい『心霊探偵八雲』シリーズで有名な『神永学』先生。
あとは、『バッカーノ!』『デュラララ!』で有名な『成田良悟』先生も少しですが作品間リンクが存在するみたいです。他にも作品間リンクが存在する作家さんがいたら是非とも教えてください。その作家さんの作品、全制覇してやります。(多分。)
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因みに拙作にも取り入れました、作品間リンク。長編だけなのですが、まあ一応あることはあるんです、作品間リンク。しかしいかんせん拙作を全て読んでやるという天使の生まれ変わりみたいな人があまりにも少ない、というか全然居ないんで誰にも感想欄で指摘されないという悲しき末路。調子こいて作品間リンクしても、その作品群が良作でないとわかってもらえないんです。ああ、残念な自分の力量。頑張って「この作品のこことこの作品のここが繋がっているんですね」とか感想に書かれるようになるぞ。