グロ描写について
図書館で何もかりる本がなかったので、久しぶりといったらとてつもなく久しぶりなのですが、『断章のグリム』という本を借りました。甲田学人先生が書いている、ラノベです。そうです、ラノベなのです。電撃文庫から出ていて、三人称小説で。行変更も三点コーダ連打もあいたたな呪文とかいっぱい出てくるのですが、このシリーズは面白い。
何故『断章のグリム』が面白いのか。
それは、グロ描写がどの作品よりも圧倒的に上手いからだと自分は思うんです。
グロ描写。端的に書いてしまえばなんてことはないこの四文字ですが、これができる人とできない人はハッキリクッキリ分かれます。因みに自分はできない人です。後者です。書こうにも、まず恐怖心が先行して書けない。それでも頑張って書こう書こうと思っても、今度はどんな描写をかく予定だったのかボヤける。結果、書けない。これの堂々巡りが訪れる人は、恐らくグロ描写は一生書けないだろうと自分は思うのです。訓練とか耐久精神とかそういう次元の話じゃないんです。これは本当に、好きか嫌いかの話。多分、甲田先生はグロ描写が書くのが大好きなんじゃないかなとか勝手に思ってます。いや、そうでもないとあれだけリアルなグロは書けない。擬音、重々しい三人称、登場人物のリアクション、シチュエーション……色々な諸々な要素が絡みに絡み合って甲田先生のグロは完成しています。あれは凄い。まともな小説書きの人でもあれだけのグロ描写を書ける人は少ないんじゃないでしょうか。
例えば、山田悠介先生。『リアル鬼ごっこ』で有名になりましたが、それと同時に叩かれまくった人です。文章がおかしい、話に矛盾がありすぎるエトセトラエトセトラ。山田先生は多分設定から考える作者さんだと思います。実際、山田先生の作品は全て設定が素晴らしい。その代わり、タイトル、キャラ、展開を(悪い表現ですが)おざなりにしている。
でも、山田悠介先生の凄いところは他にもあります。それが、グロ描写の上手さなのです。
正直山田先生の描写は微妙の一言につきます。上手いのか下手なのかわからない。でも、それでも、グロ描写に限っていえばこの人は天性のものを持っていると思います。
その例が、『×ゲーム』という作品。一人の女性が一人の男性にストーカーをし、男性の周りにいる女性やら男性やらに危害を加えていくという完全なるヤバ作品なのですが、山田先生のグロ描写によって最凶と言いきっていい作品に仕上がっています。ゴキブリ投下の描写は圧巻だったな……。当時中学二年生だった自分は軽くトラウマになりかけました。いやこれ本当。映画化したら泣ける。全米が涙を流す。恐怖の涙を。
という訳でグロ描写の話な訳ですが、いかんせん自分はこれを極めようにも極めようがありません。理由は前述の通り。怖くて書けない。自分が思い描く光景に恐怖を感じるという残念な妄想気質。でもそれでも自分は考えました。
何故、グロ描写のある作品が売れるのか。正直、ほとんどこれを好き好んで読みたいっていう人はいないと思うんですよね。(自分の偏見かもしれません、ていうかほぼ完全に偏見ですね多分)
それなのに、何故、グロい作品が売れるのか。色々もやもやしながら『断章のグリム』を読みながら考えましたが、答えは単純でとても簡単でした。要は、ホラー作品にも同じことが言えるんだと思います。
怖いものみたさ。
グロ描写がありながら人気が出る作品には、この要素が欠かせない。この要素があるからこそ、読む人は続きが気になり、ページをめくるのでしょう。息を殺しながら、登場人物に何が起こるのか、軽く震えながら見守るのです。そうした結果、登場人物が助かったり、登場人物が死んだり、はたまた何かのアクシデントが起こって全く別の展開が起こったり。とにもかくにも怖いものみたさという感覚が人間に備わっているからこそ、グロい作品は良い作品になるのです。
あああ、やっぱりそう思うとマスターしたいなグロ描写。
…………
まあでも正直、『断章のグリム』は別要素で人気を勝ち取っている作品だと思います。メルヘンでサスペンスでホラーで能力物でゴスロリとかいろんな要素てんこ盛りなオリジナリティー溢れる話の展開は、正直はんぱじゃないです。一巻の灰かぶり編なんて特にですね。図書館でもし見かけた方は、読んでみてください。損はないはずです。何気に絵も良いと思います。
あー、えー、好きな女性キャラについてはまた別の機会でお願いします。書こうと思ってパソコンの前に座ったら、軽く五人は居たのでこれはヤバイ書いちゃ駄目だと思いなおした自分は間違っていないと断言できる。