飛んで火にいるVRゲーマー・・・VRゲーム「VRワンダーランド」始めました
本作は「不思議の国のアリス」を、
現代日本・VR世界として再構築した作品です。
では、どうぞお楽しみください。
本作は「不思議の国のアリス」を、
現代日本・VR世界として再構築した作品です。
では、どうぞお楽しみください。私はアリス。
当然ユーザー名よ。SNSとかも「アリス」で通しているわ。
本名?ナイショ!
なぜ「アリス」なのか?可愛い名前でしょ?
あ、本名は「アリス」ではないからね?
今日はパパが誕生日プレゼントで買ってくれたVRゴーグルで遊ぼうと思っているのよね。
もうVR酔いもしないし、VRChatも大丈夫。
で、今回は「VRワンダーランド」っていう無料のゲームアプリをインストールしたから、それで遊んでみるつもり。
では、さっそくゲームを起動してみましょう!
VRゴーグルを被り、メニューからゲームを起動してみる。
『VRワンダーランド』
ゲームが始まったわ。
アバターの選択画面...は無いみたいね。
画面には、やたら可愛い女の子のアバターが表示されている。
長い銀髪をツインテールにまとめて、緑の瞳は少しツリ目。
赤...というか赤紫寄り? ワインレッドって言うのかしら。
そんな色のシャツドレスを着た、12歳くらいの美少女。
ホントに可愛いわね。
これがこのゲームでの私の姿ってことね。
あ、名前入力があるのね。
当然、「アリス」よ。
『これより、ゲームが開始されます。スタート地点からイベントが発生します。AIで対応いたしますので、ご自由にお楽しみください。』
へ~、AIで対応するんだ。
決まりきった対応をしないって事なのね。
と、思っていたらフェードアウトしていた画面から、ゆっくりと画面が見えてきた。
ここは...なんだろ?
私はビルが乱立する都会のど真ん中に私は立っていた。
確か説明書には「体験アトラクション型VRゲーム」とあって、謳い文句は「VRならではの世界観です。没入感がエグイのでお気をつけ下さい」と書いてあった気がする。
無料のゲームでだけど「没入感がエグイ」って所が気にはなるけどね。
ゲームの内容は「奇想天外な世界を案内。あなたを不思議な世界にご招待しますので、思うがままに『VRワンダーランド』を体験してください。攻略法はありません!!」って書いてあった。
体験型アドベンチャーゲームって所ね。
でも「攻略法がないゲームなんて無い」ってのが私の経験。
必ずエンディングまで行ける自信があるのよね。
とにかく、ちょっと歩いてみましょう。
と、歩き始めようとした瞬間。
「ぎゃあ~!!遅れる遅れる!!メンテ開始まで...いや、メンテ完了までどれくらいだ?」
突然背後で大声がした。
気になったので後ろを振り返るため、手元のコントローラーを操作する。
振り返ると、そこには真っ白なつなぎの作業服を来たお兄さんが、懐中時計を見てめっちゃ焦っていた。
このご時世に懐中時計?
と、そんな事を思っていたら、真っ白お兄さんがこっちを見て話しかけてきた。
「あ~...キミキミキミ! ちょっといいかな?」
「は?...あんた誰?」
あまりの事に思わずつぶやいてしまった。
ゲームの始まりがこれ?かなり軽いわね。
「僕かい?僕は修理作業員なんだけど、ちょっと直さないといけない所を発見したんで修正しなきゃなんだけど、人手が足りないからちょっと君に手伝ってほしいんだよね」
「え?無理無理無理!私、高校1年生で普通科だから、そんなの無理よ!てか、なんで私なの?」
ゲームとは言え、素人に無茶言わないで欲しいわ。
「大丈夫!難しい事はお願いしないからさ」
と、親指を立てて爽やかな笑顔を送ってくる。
NPCらしく、前髪で目が見えないので正直気持ち悪い。
そんな事は関係なく、気が付けば強引に私を引っ張っていく。
「ちょっと?!強引すぎない?」
てか、このゲームってこういう仕様?
確かに没入感エグイんだけど...
色々考えてたら、一つのドアの前に連れて来られていた。
ドアには「ようこそ」と書かれた看板(?)がデカデカと張り付いており、周りにはご丁寧にLEDライトらしきもので電飾されている。
「...ここはどこよ?」
強引に連れて来られたので、どこを通ったのか覚えてない。
「ここはこの世界のコア部分の入り口前だよ」
「待って...『コア』って、プログラム部分って事?めっちゃヤバイ場所じゃん!」
てか、そんな危険な場所を「ようこそ」という看板立てて電飾するな!!
「で、ここは個別認証になっているので、このカードで後から入ってきてくれる?」
とカードを渡してくる。
条件反射で受け取ると、手元からカードが消える。
ポップアップで「アイテムボックスに誤送されました」って出たけど、誤字になってるんですが?
それよりも、
「ちょっと!私の話聞いてる?」
「認証方法は今からやるのを見て覚えてね」
だから、話を聞いて!
お兄さんは私に渡したカードと同じ物を取り出し、ドアの横の白い箱に近づける。
『ぴんぽ~ん』
...え?
今、効果音じゃなく、『ぴんぽ~ん』って口で言った?
「認証は1人ずつだからね。じゃ、あっちで待ってるからね~」
と言って、さっさと扉をくぐっていった...
てか、マジ?
「仕方ないな...こういうゲームなんだろうし...」
と独り言を言いつつ、色々と諦めて私は認証カードを持ち物欄で選択し、彼と同じようにドア横の認証機器にカードをかざした。
『てってれ~』
だから、なんで効果音じゃなくてしゃべるのよ!
私はこのゲームの攻略は難しそうだという予感を覚えながら、ドアをくぐったのだった...




