愛する人に抱きしめられて逝くという事
やがて訪れる死。平等に訪れる死。その時あなたは・・・
それ以上の幸せな最期は無い
ずっと私は、そう考えて生きてきた
でも実際には違っていた
病に冒され余命を宣告され目の前が
真っ暗になった瞬間
死という現実味を帯びた瞬間
永遠の眠りに就くカウントダウンが
5、4、3、2、1と差し迫った瞬間
愛する人に抱きしめられた瞬間
今まで以上の生への執念、希望が湧き上がった
死にたくないよ
あなたと別れたくないよ
もっと生きたいよ
お願い
もっと強く抱きしめて
私をこの世に残してくれそうな力で
私をもっと強く抱きしめて
涙が溢れ出した
叶わない願い
愛してる
あなたを愛してる
遠のく意識の中で
私は繰り返す
生きる事は出来ないけども
愛する人に抱きしめられて逝くという事は
やはり幸福以外何物でもない
そう思えた
こんな最期なら良いなと思って書きました。