夢に別れを
夢は何故見るのだろう
夢の中は何故、何処かがおかしいのだろう
あなたは何か知っていますか?
答えを知ろうとしますか?
今日はいい夢を見た、目覚めだけは最高だ。
夢からまた覚めたということは...
憂鬱な朝が来たということだ。
私は、夢がまだ新鮮な内に処理する必要がある。
いい夢だが、それだけいい値で売れるからだ...
起動済みの細断装置に繋ぐ、まずは夢の細断からだ...
要素レベルにまで分解して抽出しやすいものにする。
次は抽出変換装置を起動させた。夢の要素を抽出してもらう、何かが無くなった様な感覚とともに、完了したと通知が出る。
ここまでしたら、後はメモリーに入れて
朝市に向かうだけだ...
朝市、これは娯楽の少ない今の時代にある闇市のことだ。此処にはAIを介さない特殊な有線ネットワークが存在している。ここは富裕層から貧困層まで幅広く利用できる《夢を売るマーケット》だからだ...
要素毎にも売れるし、纏めたものだって売れる夢のマーケットだ。金持ちは夢という娯楽が欲しい、貧困層はお金が欲しい、まさにWIN WINな関係だろう?
安いものでも1$で売れる。
今日の売上は500か...
最近は売りすぎたのか、殆がノイズで覆われている。
もう売れそうなのが無いと思っていた。
もうそろそろ売れるのは無いかも知れない。
目標金額まであと少し...
売れるものは全て売る
夢は見なくても夜は明ける
明日を生きる、そのための代償にして何が悪いの?
そういう日々を過ごし、終に夢は無くなった。
見えるのは残穢と残骸のノイズのみ...
そうして夜は少し長くなった。