第六章:終焉と再会編「ふたつの運命が交わるとき」
“それ”は、空からやってきた。
黒い鳥のように。けれど、前とは違った。
その姿は歪み、まるで誰かの「絶望」が形になったようだった。
アカネはステッキを構える。
隣にはナオトがいる。彼の手は震えていたが、目はまっすぐだった。
「大丈夫。私は、あなたと一緒なら……!」
ふたりは同時に走り出す。
アカネのステッキが黒の怪物に迫る瞬間——
世界が、止まった。
光と闇の狭間。時間が凍るような空間にふたりは立っていた。
「……ここは?」
そして、現れる二つの影。
ひとりは、血を流しながら道に倒れていた前の彼。
もうひとりは、夢の中で出会った前の彼女。
「来てくれたね」
彼女が微笑む。
「君たちが最後の希望になるって、ずっと信じてたよ」
彼が言った。
「私たちはもうこの世にはいない。けど、心は残ってた。
それはきっと、ロノウェが繋いでくれたから」
アカネが、涙をこらえて口を開く。
「あなたたちの……記憶と願い、私たちが、ちゃんと受け取った」
「うん。君たちなら、大丈夫。世界を守るだけじゃなく——」
「未来も、変えられるから」
そう言って、彼と彼女は手を重ねる。
その手の光が、ふたりに流れ込む。
世界が再び動き出す。
アカネはもう迷わない。
ナオトも、怖れを捨てて前を見つめる。
ふたりのステッキが、ひとつの光をまとい、黒い存在を貫いた——。