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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第五章 ブリジア ギガンテス編

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72話 旧四天王とアイリス


 同刻――――旧四天王の反逆を止めるべく、アイリスは各地に散らばる眷属達を総動員し、彼らの居場所を探っていた。


 そして最初に居場所を特定出来たのは――――


『アイリス様。セセリン様の居場所がわかりました』


「そう。ありがとう。で? 場所はどこかしら?」


『ハーピーの住処、"天空の花園"です』


 "天空の花園"。

 それは魔王城の上空に浮かぶ庭園。

 そこには様々な花が咲き誇り、美しいハーピー達が羽を休めているという。


「え、セセリン様は魔族領内にいるの!?」


『そのようです。どうやらセセリン様は今回の一件に関与していないそうです』


「そう……。でもセセリン様に話を聞けば何か情報が得られるかもしれないわね。とりあえず行ってみるわ! あんた達は引き続き、他の爺様達の居場所を探っててちょうだい!」


『承知しました。アイリス様――』


 プツンッ。

 


「はぁ……。何で私がこんな事……」

 

 眷属との通信が途絶え、アイリスは独り言を呟き空を見上げた。

 そして気だるそうにしながらも、右手を前に突き出しワープゲートを開く。


「これで何か情報を得られればいいけど。ていうか四天王の方達ってまともに話を聞いてくれるのかしら……」


 アイリスは怪訝な顔をしながらそう呟くと、ワープゲートの中へと入っていった。



 ◇



 ワープゲートを抜けるとアイリスは早速セセリンを探し始める。

 ひとまず近くにいた、花に囲まれてくつろいでいるハーピーに声を掛けた。


「あの、セセリン様って何処にいらっしゃるのかしら?」


「セセリン様なら奥の小屋にいるんじゃないかな? それより見て? このお花……。綺麗でしょう?」


「あ……あぁ、そうですね。綺麗ですねぇ。では私先を急ぎますので――」


 そう言うとアイリスはそそくさとその場を立ち去ると、セセリンがいるという小屋へと向かった。

 

「鬱陶しいわね、今は花なんてどうでもいいのよっ!」


 そんな悪態をつきながら――


 ◇


 暫く庭園を進むと小屋が見えて来る。

 アイリスは小屋の前まで到着すると扉を三回ノックした。


「あのー。セセリン様ー? アイリスですー。少しお話したい事があるのですが、お時間よろしいでしょうかー?」


 アイリスは扉越しに声を掛ける。

 すると扉は少しだけ開き、中からセセリンが顔を覗かせた。


「何……? 老人ホームの勧誘なら間に合ってるわよ?」


 セセリンはそう言うと扉を閉めようとする。

 アイリスはすかさず足を隙間にねじ込んだ。


「違いますからっ……! そんな話をしに来た訳ではなくて……! くっ……、とにかく扉を開けなさい……よっ!!」

(あーもうウザイわね、この婆さんは……!)


「今私の事、ウザイ婆さんとか思ったでしょ!?」


「――――――っ!!!」

 

 そう言うとセセリンは扉を勢い良く開けた。

 拍子でアイリスは扉に顔を強打し、悶絶した。


「あら、ごめんなさい? 痛かったわよね?」


「だ、大丈夫です……。それより話を……」

(このババァ、マジでいつか殺す……!)


 アイリスはぶつけた鼻を押さえながら涙目で話を進める。

 そして自分が四天王の反逆を止める為に動いている事をセセリンに伝えた。


「――――という訳です。セセリン様はこれに加担していないって事でいいんですよね?」


「ふーん。そういう事ね。大丈夫よ。私はその件に関与していないわ。そもそも魔王様に楯突こうなんて考えもしないわ! ほんっと、男っていつまで経っても馬鹿よねぇ」


「そうですね。でも先代の時はそんな事なかったのに、何故今……?」


「うーん、そうねぇ。きっとあのジジィ達は魔王様がまだ子供だからと侮っているのかもしれないわね」


 アイリスの問いにセセリンは思案顔で答えた。


「なら返り討ちに遭いますね、爺様達……。エル様は恐ろしい方ですから……」


「あら? アイリスは魔王様と既に戦ったの?」


「いえ、戦闘ではなかったのですが、それはもう恐ろしいお仕置きを頂きまして……」


「あ、そう……。それは具体的にどんな……?」


「え、聞きます……?」


 そう言うとアイリスはエルにされたお仕置きの内容を全て余すこと無くセセリンに伝えた。

 最初こそ平然と聞いていたセセリンだったが、その表情は徐々に曇っていき、話が終わる頃には口を大きく開け、青ざめていた。


「何と恐ろしい……。私だったら羽を一本ずつ長い時間をかけて抜かれるかもしれないわね……」


「それだけで済めばマシな方ですよ。爺様達、きっと酷い目に遭いますよ……。まぁ――――」


「「――――自業自得か……。ぷぷっ……!」」


 二人は声を揃えてそう言うと、顔を見合せ笑い合った。

 そして暫くそうした後、セセリンが口を開く。


「はぁーあ! しょうがないわね。私もジジィ達を止めるの手伝ってあげるわ」


「え、本当ですか!? それは心強い……!」


「まぁあの時、しっかり止められなかった私にも責任あるしねぇ……」


 そう言うとセセリンは顔を引きつらせる。


「なら、エル様に叱られる前に早く探しに行きましょう!」


「そうね。あの中で一番厄介なのは序列二位のふにゃ丸か、先代魔王様と互角の戦いをしたダグラスかしら?」


 アイリスが慌ててそう言うと、セセリンは特に注意すべき二人の名前を挙げた。

 

「そうですね。でもお二人共、どこに行ったのか全く見当がつきません」


「ならトカゲマンはどう? アイツはきっとジメジメした所にいるわよ?」


「確かに……。リザードマンってそういう種族ですものね。では、手当り次第に湿地帯を回ってみますか」


 アイリスがそう言いながらワープゲートを開こうとすると、セセリンがそれを制止する。


「そんなに時間をかけてはいられないわ。少し待ちなね。――――【感覚共有】」


 セセリンがそう唱えると、彼女の目の色が紫に変色した。


「何をしているのです?」


「あぁ、そうだったわね。私ね、視覚や聴覚を他の同族達と共有出来るのよ。それで今、人間界を飛び回っている子達の視覚を借りて探して――――っ!?」


「ど、どうしました!?」


 話している途中でセセリンは突然驚いた様子を見せた。

 アイリスが慌ててそう問うと、セセリンはゆっくりと口を開く。


「ふにゃ丸が……魔王様に搾られた……」


「はい……?」


 セセリンの言葉を上手く理解出来なかったアイリスはポカンとした表情を浮かべる。


「だから、ふにゃ丸が魔王様に布巾みたいに搾られて体内から毒素を抜かれたのよ……!!」


「えっ……!?」


「あーあー……。ふにゃ丸ったら、あんなになっちゃった……」


「……どうなったんです?」


「聞きたい?」


 アイリスがこくりと頷くとセセリンはふにゃ丸に起きた事を全て話した。



「つまり……序列二位のふにゃ丸様が魔王様に瞬殺されたと……?」


「死んではいないけどね。まぁ完全に中身は別物になっちゃってるだろうけど……」


「そうですか……。でもまさかこんなに早く魔王様と接触するなんて」


「運が良かったのね。いや……悪かったのか」


「どちらでもいいです。ふにゃ丸様はもう手遅れだし、とりあえずセセリン様は、トカゲマン様を探して下さい……!」


「そうね。わかったわ。――――――あ、いたわ! やっぱりジメジメした所にいるわね」


 セセリンは再度湿地帯を汲まなく探し始めると、すぐにトカゲマンの居場所を特定した。


「居場所がわかったんですね! ならそこへ早く行きましょう。詳しい場所を教えてくれたら私がゲートを開きます」


「わかったわ。えっとね――――」


 セセリンはトカゲマンの居場所を詳しくアイリスに説明した。

 そしてアイリスはすぐさまワープゲートを開き、二人はトカゲマンの元へと移動した。



 ◇



 トカゲマンがいる湿地帯へと辿り着いた二人は早速、彼の前へ姿を現した。


「んん? なんじゃキサマら。何しに来おった?」


「どうもこうもないわ! 馬鹿な真似は辞めてさっさと魔族領へ戻りなさい!」


「そうです。爺様! エル様はまだ子供ですが、恐ろしく強いのですよ!?」


 二人は必死にトカゲマンを止めようと説得を始める。

 しかし彼はそんなものに耳を貸さなかった。


「何を言っておるのだ。相手はたかがガキ一人だろう。何を臆する事があるのじゃ?」


「何もわかっていないようね。ならば教えてあげるわ、トカゲよ」


「なんじゃ?」


「今しがた、ふにゃ丸が魔王様にやられた。しかも一瞬で!」


「なんじゃと!?」


「序列二位のふにゃ丸がだ! わかっているのか!? アンタはふにゃ丸より序列は下なのだから、このままいけばどうなるかなんて考えなくてもわかるでしょう!?」


「ふんっ。知った事か! ワシはダグラス様を王にする。それだけじゃ!!」


 そう言うとトカゲマンは二人を押し退け先へと歩いて行く。


「どうなっても知らないからね!」


「爺様……!!」


 二人の呼び掛けにトカゲマンは後ろ向きに手を振り去って行った。


「あーあ。行っちゃったわね」


「まぁ、私達は止めましたし。その事実は変わりません」


「そうね。これで私達が魔王様に怒られる事はないわよね」


「た、多分……?」


 二人は誰もいない湿地帯で顔を見合せ頷いた。

 そして早々に四天王を止める事を諦めた二人は、セセリンの小屋へと帰って行った。


 

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