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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第五章 ブリジア ギガンテス編

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59話 勇者パーティの成長


「ありがとうございます! ありがとうございますぅぅぅうう!」

 

 統率がとれなくなっているゴブリンの残党達に次々と攻撃されているボンズ。

 そんな最中、彼はマッゾの教えに従い感謝の意を示しながらその攻撃に耐え続けていた。

 そう。ボンズは俺のせいでドM教に入信してしまっていたのだ。


「まだよ、ボンズ! ハァハァ……まだいけるわ!! ハァハァ……もっと傷付きなさい!」


 そしてセリーヌもまた同じく、俺のせいで特殊な癖を更に高みへと引き上げてしまった一人であった。


「セリーヌさんっ……! 応援のお言葉、ありがとうございまぁぁぁす!! さあ、ゴブリンさん! もっと、もっと来て下さァァァい!!」


 ボンズはそう叫びながら俺達から離れた場所へゴブリンを誘導していく。

 そんなボンズとセリーヌの成長を見たユーリとリリィは――――


「ボンズ!? 君はどこへ向かっているんだい!? 頼むから帰って来てくれよォ……!!」


 ユーリは膝をつき涙を流しながらボンズが新たな扉を開いてしまった事を嘆いていた。

 

「な、何これ……。ボンズ……? どうしちゃったの? セリーヌ、付与魔術の修行は……?」


 そしてリリィはそんな彼らの戦いぶりにドン引きしていた。


 ――まぁそりゃあ引くよなぁ……。

 セリーヌは回復も付与もしていないから置いといて、やり方はどうであれ、ボンズはタンクの役目を果たしている。

 今はそんな二人に嘆いたり、引いている場合ではない。

 このままではボンズの頑張りが無駄になってしまう……!


「ユーリ! 泣いてる場合じゃないよ!! リーダーなんでしょ!? 勇者なんでしょ!? ボンズが頑張ってゴブリンを引き付けてくれてるんだから、早く倒さないと!!」


 俺はユーリにそう叫んだ。


「そうだよな……! ありがとうエル! 俺、どうかしてたよ! いくぜっ! 【エクスカリバー】!!」

 

 ユーリは再度聖剣を握る。

 今度はしっかりとした真っ直ぐに硬い刀身だ。

 そしてそのままユーリは斬撃を放った。


「いっけぇええええ!!!」


 しかしその斬撃は明後日の方向へ飛んで行く。

 その先にはゴブリンロードを踏み付けにしているスカーレットがいた。


「はぁ……。やれやれ。ユーリはアレで本当に勇者なのですか?」


 そうボヤきながらユーリの斬撃をゴブリンロードの大きな足を盾に弾き返す。


「え……!?」


 ユーリはその様に驚愕していた。

 そしてスカーレットにより弾き返された斬撃は真っ直ぐにボンズが引き付けているゴブリンの群れの元へ飛んで行く。


「よし……! いいぞ! あとはリリィの魔法で……!」


「任せてエル……! もう準備してる……。【ファイアダンク】!!」


 そしてゴブリンの群れの頭上に大きな術式が展開される。

 しかしこのままではボンズまでリリィの魔法に巻き込まれてしまう。


「ボンズ……!!」


「エル君……オイラの事は心配しないで! オイラは大丈夫だからそのまま魔法を……!!」


 俺がボンズの名を呼ぶと彼は覚悟を決めた様な顔で俺にそんな事を言った。


 ――ボンズの奴……そんな強がりを……!

 ったく、泣かせるなよ……。


「セリーヌ……!!!」


「わかってるわ。さすがにリリィの魔法をくらえばボンズもただでは済まないものね。勿体ないけど仕方ない。――【サンダーヒーリング】! 【魔法障壁】!」


 俺がセリーヌの名を大声で叫ぶと、彼女はそれだけで全てを理解してボンズに付与魔術と魔法防御を高める【魔法障壁】を張った。


「よし……! いいぞセリーヌ……! でも勿体ないって何……?」


 俺がそんな事を口にしていると、特大の火の玉がバスケットボールのダンクシュートの如くゴブリンの群れとボンズに向かって叩きつけられた。


『ピギャァァァァァアアア!!!!』


「ぐぅあああ!!」


 ゴブリン達の断末魔とボンズの悲鳴が辺り一面に木霊する。

 そしてその場にいたゴブリン達は一瞬にして消し炭になった。


 

「ふぅ……。何とか全滅させられたか」


 俺はほっと胸を撫で下ろした。


「ボンズ……! 大丈夫かい!? セリーヌ早く回復を!」


 ユーリは傷だらけでその場に立ち尽くすボンズの元へ駆け寄り心配そうに声を掛けた。

 そしてセリーヌへ回復をするよう求めた。

 

「ハァハァ……。ボンズ……痛い? 痛いわよね……? ねぇ、ハァハァ……回復して欲しい……?」


「ぐ……か、回復してください……」


 しかしセリーヌは傷だらけのボンズを見て興奮を隠しきれず、息を切らし彼にそう問い掛けた。


 ――セリーヌ……。

 本当にお前というやつは……。

 拗らせるのも大概にしなさい。


「馬鹿! セリーヌ! そんな事言ってる場合じゃないだろ!?」


「ボンズ……ごめん、リリィの魔法が強すぎたせいで……強かったから……ごめんね……」


 そんなセリーヌにユーリは少し声を荒らげる。

 そしてリリィは若干の自慢を含んだ謝罪をしていた。


 ――そうだ、ユーリ。ここは怒るところだぞ。

 そしてリリィ。自分の魔法が強い事を何度も言わんでいい。ごめんだけでいいんだ、こういう時は。

 

「い、今は……そんな事どうでもいいので……は、早く……」


「はぁ……。わかったわよもう!! 【エクストラヒール】!!」


 ボンズが息絶え絶えにセリーヌに回復を懇願すると、大きなため息の後にセリーヌは上位回復魔法を掛けた。

 するとボンズの傷はみるみる内に消えていく。


「よかった……! ボンズ! よく頑張ったな!!」


「ボンズ凄かった……! リリィの魔法の次に凄かった……!」

 

 回復されたボンズへユーリは労いの言葉を掛ける。

 リリィも褒めてはいるが、やはり一番の功労者は自分だと思っているのだろう。

 

「ユーリさんありがとう。リリィは……もう少し素直に褒めてくれてもいいんだよ……?」


「リリィはいつも素直……」


「そ、そう……? ――あと、セリーヌさんも回復して頂きありがとうございます」


「ふんっ。いいのよ。傷を癒すのが私の仕事だからね」


 セリーヌは少し照れくさそうにツンとしながらそう言った。


 ――何故セリーヌは回復してお礼を言われて不満気なのだろうか。

 ていうかそもそも回復魔法ってお願いして掛けてもらうものだったっけ?

 普通はダメージを負った仲間に気が付いたら自ら回復していくイメージだけど……。

 まぁこれもセリーヌらしいし、ひいてはこの勇者パーティーらしいからいいか……!


 俺は色々と深く考える事を放棄した。

 そして俺は戦闘中、暫く放置していたとある事を思い出す。

 


「あ! それよりユーリが助けた男の人は大丈夫だった?」


「そうだった――――! 名前なんだっけ……?」


「聞いてなかったのかよ! あ、あそこにいるよ!」


 そして俺は辺りを見渡し情けない顔で唖然としている男冒険者を発見した。

 そしてユーリは早速その男冒険者の元へ駆け寄って行った。


「お兄さん! 大丈夫? 怪我とかしてない!?」


「あ、はい。大丈夫です! 助けて下さりありがとうございました……!」


「それより君、名前は?」


「あ、僕の名前はウィルです」


 ユーリがウィルに名前を聞いた所で俺を含めた他のメンバーも彼らの元へ集まって来た。


「そうなんだ。でもウィルさんはどうしてこんな所に一人で?」


「僕ウォルトスで冒険者をやっていたんですけど、この間パーティーを追い出されまして……」


「追い出された!? 何で?」


 俯きながらそう話すウィルにユーリは驚きながらもその理由を聞いた。

 

「それは僕が弱くて使い物にならない上に、魔物を呼び寄せてしまう体質だからです……」


「そう……だったんだ。大変だったんだね」


 ウィルが話した理由にユーリは悲しそうな表情を浮かべ同情した。


「酷い話ね。弱いからってパーティーを追い出すなんて。リーダーの顔が見てみたいわ!?」


 セリーヌはウィルの為に怒りを露にした。

 こういう所は優しくて良い子なんだけどなと恐らく皆が思っただろう。

 するとウィルは顔を上げて口を開いた。


「ヤッカムさんは悪くありません! 僕が弱いのがいけないんです……」


「ヤッカム!? ウィルさんはヤッカムさんのパーティーに所属していたんですか!?」


「ヤッカム……。やはりあの男はあそこで始末しておくべきだった……」


 パーティーを追放したリーダーの名がヤッカムだとわかるとボンズは驚いた表情を見せ、リリィは物騒な事を言い始める。


 ――なるほど。ヤッカムのパーティーから弱いという理由で追放されてしまったのか。

 ラノベならこういう追放される側の冒険者って実は強いスキル持ちで〜とかあったりするけど、ウィルの場合は本当に弱いし、変な体質も恐らく本当なのだろうな。

 これじゃあ追放ざまぁ出来ないな。

 ウィルには可哀想だけど……。


「それでウィルは何処へ行こうとしてたんだい?」


「はい、僕には冒険者は向いていないのだと思い故郷へ帰ろうかと――――」


 ――なるほどウィルの故郷か。

 これは次の街へのフラグですね。

 ご都合主義ありがとうございます。


「へ、へぇー? ち、因みにその故郷ってどの辺なのかな?」


「ここから歩いて三日程の所にあるブリジアという街です」


「ふ、ふぅーん。でも三日もウィルを一人で旅をさせるのは不安だし、良かったら俺達がついていってあげよつか?」


「本当ですか!? 是非一緒に! いやーなんて心強いんだ……!」


 ユーリはそんな約束を取り付け、ウィルはとても嬉しそうにしていた。


「良かったね、ユーリ。これで迷わず次の街へ行けるね!」


「ま、迷ってないし!?」


 俺はユーリに意地悪を言うと、彼は途端に焦った表情でソレを否定した。

 

 


ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

これからも本作品をよろしくお願いします!


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