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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第四章 ウォルトス編

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56話 旧魔王軍四天王


 エルが魔王城で昼寝をしている頃、魔王城のとある一室で会合が開かれていた――――



「だめじゃー! またしても事故に遭ってしもうたー! これも歳のせいじゃろうか?」


「キサマ、何でもかんでも歳のせいにすりゃあえぇと思うとらんか?」


「そう言うアンタもかなり老けたわよ?」


「歳とかどうでもいいぼん! 次はお前の番ぼん!」


 

 集まっていたのは魔族の老人四名。

 歳の割に老けていないものもいるが、魔族は多種多様の為に見た目が変わらないものもいる。

 

 そしてこの四人はここで一体何をしているのか。

 それは――――


「なにぃ!? また金を払えとな!? どれだけ人から金をせしめりゃ気が済むのじゃ!?」


「黙って早う払わんか。じゃがキサマはこれで借金が三十億じゃのう。くっくっく……」


「私はまた子供が産まれたわ! ほら! 早く御祝儀をよこしな?」


「何人目だよまったくぼん! 相変わらずの尻軽だぼん! まずはお前からルーレットを回すぼん!」


 ――――なんと人生ゲームだった。


「しかしこの人生ゲームとやらはつまらんのう。歳のせいじゃろうか?」


「だから歳は関係ないと言うておろうが、この馬鹿鬼人が!」


「言い合いは後にして、早く御祝儀渡しなさいよこの、トカゲ野郎!」


「やかましいわくそビッチが! 鳥の分際でワシに指図するな!」


「おい鬼のお前、早くルーレット回すぼん!」


「スライムはえぇのう。歳をとっても見た目が変わらんのじゃから」


 集まっていた四人はそれぞれオーガ、リザードマン、ハーピー、スライムの長である。

 彼らは全員、先代魔王の直属精鋭部隊である魔王軍の『四天王』と呼ばれた者達だった。


 

「あーやっぱりつまらん。誰じゃこんな物を作ったのは……」


「新しい魔王様じゃ。……ワシはあの餓鬼、好かん!」


「えー? 可愛いじゃない。ワタシの羽で優しく撫でてあげたいわぁ」


「黙れビッチぼん。お前は魔王様に近付くなぼん!」


 それぞれの想いがある中、彼らの元へ一人の男が訪ねて来た。



「おーおー。こんな昼間から酒を呑んで馬鹿騒ぎとは。お主らも相変わらずじゃのう。ニック、トカゲマン、セセリン、ふにゃ丸」


 そう声を掛けるのは五芒星の一角、竜人のダグラスだった。


「おぉダグラス。久しいのう。元気にしておったのか?」


「コルァ! ニック! ダグラス様に何て口の利き方をしとるんじゃド腐れ鬼人が!? ……あとダグラス様、ワシの事をその名で呼ばんでくだされ。そりゃあ親が酔っ払って付けた適当な名ですので……」


「アンタら喋り方が全員ジジィ過ぎて、誰が喋ってるのかわからないわ? もう少し工夫したらどう!?」


「そうだぼん! オレを見習うぼん!」


「アンタはちょっと特徴的過ぎよ……」


 突然のダグラスの訪問に各々が反応を見せる中、ダグラスはとても愉快そうに笑った。


「カーッカッカッカ! お主らはやはり面白いのう! ……それに比べて今の五芒星は駄目じゃ。全員若すぎる。話が合わん」


「そりゃあダグラスが歳を老いたからじゃろうて。幾つになった?」


「5931歳じゃ……」


「それじゃあ話が合うはずないわね。今の五芒星の子達ってみんな千は超えてないんじゃない?」


「だからキサマら、ダグラス様への口の利き方をじゃな……」


「オレは6127歳になったぼん! 祝えぼん!」


「カッカッカッ! ふにゃ丸がこの中で一番年寄りじゃのう!」


 ふにゃ丸は自分の方がダグラスよりも歳が上だぞと主張したいのか、そう言うと自慢の柔らかボディを極限まで高く伸ばしてみせた。

 するとダグラスはそれを受け、高笑いをした。

 そして暫くの間、老人トークで盛り上がりを見せたが、その後のトカゲマンの一言で場の空気は一転する。

 


「それよりも――ワシはあの新しい魔王様がどうしても好かんのですじゃ。ダグラス様はどうお考えなのですかな?」


 和気藹々と楽しい雰囲気から全員がピリピリとした緊張感を放ち、部屋の中は静寂に包まれた。


 そしてその静寂を破ったのは――――


「じゃあ辞めさせればいいぼん! 相手はガキだぼん! 余裕ぼん!」


 ――まさかのふにゃ丸だった。


 本来、魔族の配下達ならトカゲマンの言葉を聞いた時点で不敬罪だと『魔族領全域に子供の頃の作文を読み上げられる刑』に処させるのだが、意外にもその場の全員がソレを口にしなかった。

 

 それどころか、ふにゃ丸がトカゲマンの意見に被せた事により、彼らの反魔王意志の勢いは更に増して行く事になる。



「ふにゃ丸よ……よく言った! おらも同感じゃ! あんなクソつまらんゲームなんぞ作りよってからに!」


 一番初めにふにゃ丸に続いたのはニックだった。

 どうやら人生ゲームで負けた事で、ソレを作ったエルに対して並々ならぬ恨みを抱いているようだ。

 凄まじいお門違いではあるが。


「馬鹿な事言うのはやめなさいよ、みっともない……。ていうかアンタ一人称『おら』だったかしら?」


 次に声を発したのはセセリンだった。

 しかし彼女は前の三人に対し、反対意見を述べた。

 もしかすると彼女も特殊な癖を持っているのかもしれない。


 そんな中、最後まで口を閉ざし続けていたダグラスが漸く口を開いた。


「お主ら……本当にエル様を魔王の座から引きずり下ろすつもりか?」


 ダグラスは真面目な表情をしながら低い声で彼らにそう問うた。


「オレはやるぼん! あんなガキに魔王を任せられないぼん!」


「おらもやるぞ! 久々に鬼の血が騒ぐぜぇ!!」


「ちょっと待ちなってアンタ達! そんな事言ってたら本当に不敬罪になるわよ!? あとニックはキャラ変わりすぎよ!」


「そう言うキサマはどうなのじゃ、セセリンよ。今の魔王に不満は無いのか?」


 ダグラスの言葉に更に反魔王の意志を見せるニックとふにゃ丸。

 そして彼らに忠告を続けるセセリンにトカゲマンは嫌味な質問を投げ掛けた。


「ある訳ないじゃない! あんなに可愛い魔王様なんて見た事ないわ!? きっと私達魔族を幸せな未来に導いてくれるはずだわ! だから私はアンタ達の言う事に賛同しないわ!」


 しかしセセリンはやはりと言うべきか。

 ショタコンの意地を見せ、ソレを振り切り彼らに賛同しないと言い切った。

 すると四人の内に秘めた想いを聞いたダグラスは彼らに宣言した。


「あい、わかった……! お主らの想いを汲んでワシは今の魔王を討つ事に決めたぞよ!!」


「おぉ! 流石はダグラス様! 次期魔王候補筆頭でございますなっ!」


「待て、新しい魔王はおらだぞ! 誰にも譲らん!」


「何を言ってるぼん? 次の魔王はオレに決まってるだろぼん?」


「アンタ達本気!? まさか、魔王様のお披露目会でのあの魔法の威力を忘れたの!?」


「ありゃあただのまやかしじゃい、馬鹿ビッチ。それとダグラス様を差し置いてキサマらが魔王になれる訳がなかろうが!?」


 ダグラスの宣言を聞き、それぞれの反応を見せた元四天王の面々。


「カーッカッカッカ! 現五芒星のワシを差し置いて魔王になると申すか、ニック、ふにゃ丸よ!」


「あたぼーよ! おらがやらんと誰がやると言うのだ!?」


「それはオレのセリフだぼん! 脇役は黙ってろぼん!」


「ふにゃ丸はおいといて、ニックは完全に若返ってるわね……。心做しか肌ツヤまで綺麗に見えてきたわ」


「ふんっ。腑抜けたキサマにはわかるまいて。男は野心を捨てたら老いるものよ。そしてその逆も然り、野心を持てば忽ち若返るのじゃ!」


 ここにエルがいたら『そんなアホな……』とツッコミを入れそうなトカゲマンの発言にセセリンは唖然としていた。

 そしてダグラスはそんなやる気を見せるニック、ふにゃ丸、トカゲマンに対し更にとんでもない提案をする。


 

「ならば賭けをしようではないか。この中で誰が一番初めに魔王の首を取ってこられるか勝負じゃ!」


「乗ったァ!! おらはやるぜ!?」


「オレも勿論やるぼん! そもそも今の魔王もガキだし、ダグラス以外の五芒星達もまだまだ雑魚だしこのままではダメぼん! 魔族滅ぶぼん!」


「ワシはダグラス様の手助けになる様に動きますぞ! とはいえ、キサマらには絶対負けんからの?」


 男連中がダグラスの提案に乗り、さらに士気を上げていく中、紅一点のセセリンは呆れ顔で口を開く。


「はぁ……。もう付き合ってらんない。アンタらどうなっても知らないからね? 私、帰る……!」


「おぉ、セセリンは帰るのか?」


「キサマ……ダグラス様がここまで言って下さっているのに本当に帰るつもりか!?」


「トカゲよ、ダグラスはそこまで言ってないぞ」


「竜も鬼もトカゲも黙れぼん! 今の魔王に満足している腑抜け鳥はいらないぼん! さっさと帰れぼん!」


「チッ……! 本当に知らないからね……!」


 そう言い残し、セセリンは部屋を出ていった。

 そして残った男四人は互いの顔を見合せ、一斉に口を開く。


「「「「魔王エルを討ち、新たな魔王になるのは――」」」」


「ワシじゃ!!」

「ダグラス様じゃ!!」

「おらだ!!」

「オレだぼん!!」



 こうして現魔王であるエルが呑気に昼寝をしている間に、旧魔王軍四天王の三人と現五芒星の一角ダグラスによる魔王の椅子取りゲームの幕が上がったのだった――――



ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

これからも本作品をよろしくお願いします!


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