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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第四章 ウォルトス編

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43話 嘘を重ねる


 アイリスの登場で全てを諦めた俺は、完全な魔王ムーブをユーリ達に見せつけた。

 しかしセリーヌは俺の渾身のソレを『魔王の真似』と称し、再度俺に抱きつき愛で始めた。


 

「エルきゅんの魔王の真似、可愛いすぎるぅー!!」


「なっ……!? 貴様人間……! 魔王様に無礼でしょうが!!」


 セリーヌは相変わらず俺を抱きしめ撫でくりまわしているが、アイリスはそれを引き剥がそうと彼女の腕を掴み騒いでいた。


 セリーヌは何故か俺の都合が良いように曲解してくれているが、他のみんなはどうだろうか。

 そして俺はまず勇者であるユーリに目をやった。


 

「スカーレットにセリーヌにリリィ……。それにアイリス……。エルの周りにはどうしていつもこんな美女が……」


 ユーリはアイリスが魔族とは気付いていない様子で、俺にはあまり聞き取れなかったが、何やらブツブツと愚痴を吐いているようだった。

 次に俺はボンズへと目をやる。


「小ぶりなのもまた……えへぇ……」


 ボンズはスカーレットやセリーヌに比べ、少し小ぶりなアイリスの胸を眺め、鼻の下を伸ばしていた。

 この男は見た目に反して臆病くらいに思っていたが、最近は完全にムッツリスケベへと、キャラ変更したようだ。

 そして次はリリィに目をやった。


「アイリス……。この人はまさに、リリィがお姉ちゃんと呼ぶに相応しい人……!」


 リリィはアイリスの事を羨望の眼差しで見ていた。


「り、リリィ? アイリスがお姉ちゃんってどういう事?」


 俺はセリーヌの胸から顔を出し、リリィにそう聞いた。

 するとリリィは目を輝かせながらアイリスを見て話を始めた。


「エル、わからない……? アイリスお姉ちゃんのあの姿……。白く透き通った肌に綺麗な白髪……。そして整った顔立ち……。なのに――――おっぱいが小さい……! あんなに小さいのに美しいなんて……! リリィの憧れそのものだよ……!!」


 リリィの話は正直よくわからなかったが、恐らく自分と同じちっぱいなのに、気高く美しいアイリスに憧れたのだろう。

 だから彼女の事をお姉ちゃんと呼ぶに相応しいと、そう言っているのだろう。


 そしてリリィの話を聞いたアイリスは驚きと戸惑い、そして怒りをにじませていた。


「な……っ!? この小娘、一体何を言っているのかしら!?」


「アイリスお姉ちゃん……。リリィを妹にして……?」


「馬鹿な事言ってるんじゃないわよ! 何であんたなんかを妹にしなくちゃいけないのよ!?」


 彼女はいつの間にかセリーヌの腕から手を離し、リリィに向き直っていた。

 アイリスの言葉は最もである。

 しかしリリィは簡単には引き下がらなかった。


「リリィ、一目で、貧乳で綺麗なアイリスお姉ちゃんに憧れた……。これは一目惚れ……。ねぇ、お姉ちゃん……。リリィを妹にして魔法を教えて……?」


「ひ、貧乳は今関係ないでしょ!?」


 リリィはアイリスに自分の姉になれと要求するだけでは飽き足らず、魔法の指導まで要求し始めた。

 そしてアイリスは自分の胸を手で隠し、恥ずかしそうにそう叫んでいた。


 ――リリィは魔女だからか、アイリスの魔力の高さを本能的に見抜いたのか?

 それとも本当に外見だけで判断したのか?

 

 まぁどちらにせよセリーヌとリリィをはじめ、ユーリとボンズもアイリスを魔族だと微塵も思っていない。

 これはチャンスだ……!

 ここはアイリスを上手く誤魔化してこの流れに乗せるしかない……!


 そして俺はリリィに言い寄られて必死に抵抗しているアイリスに、俺はセリーヌの腕から抜け出し、駆け寄った。


「アイリス。この者達は俺が新たに配下に加えた人間達だ。実力はまだまだだが、俺の目的の為にはなくてはならない存在だ。したがってコイツらの俺への多少の無礼を許し、貴様も上手く接するように。それとこれからは俺の事をエルと呼べ」


 俺はアイリスの耳元で小声で指示を出した。

 そしてアイリスはこくりと頷いた。

 どうやら俺の意図を理解してくれたようだ。


 するとアイリスは胸を張り、勇者パーティの面々に突然偉そうな態度をとり始めた。


「ふんっ! あんた達は私よりも後にエル様の配下に加わった云わば後輩! そこら辺わかってるわよね!?」


 ――全然わかってなかったー!?

 アイリス、何か色々間違えてるぞ!?


「ははーん。そういう設定ね! わかったわ! 私達はエルきゅんの配下……。いいわね……!!」


 ――セリーヌ?

 何がわかったんだ?

 設定って何だ?

 いい加減に戻ってこい?


「リリィもわかった……。アイリスお姉ちゃんに従う……」


 ――リリィ?

 アイリスは魔族で五芒星の一角。

 絶対に従ったら駄目な存在なんだよ、わかる?


「お、オイラはアイリス様の下僕ですぅ。どんな指示にも従いますぅ……えへぇ」


 ――ボンズ……。

 お前新たな世界の扉を開いてんじゃねぇよ……。

 帰って来れなくなるぞ……。

 それにそんな性格してるけど、お前、身長二メートル超えの強面だからな……!?


「はーい! ていうかアイリスー! エルのはいかって何ー?」


 ――このアホは本当に……。

 お前はもう黙ってろ……。

 アホがうつる……。


 するとアホのユーリに対し、先程まで黙り続けていたスカーレットが口を開いた。


「配下とは主人の指示に従う者という意味です。所謂手下の事です」


「あぁー! そういう事かー! ってあれ……? 俺達、エルの手下なの?」


 ――ユーリめ、普段はアホなくせにこういう時だけ鋭い指摘を……。

 このままだとボロが出てしまう。

 その前に何とかして誤魔化さないと。


 俺がそう考えているとスカーレットが助け舟を出した。


「では皆様。奥の部屋でシギサさん達もお待ちです。早速仮装パーティーを執り行いましょう」


「え? シギサも待ってるの? それにパーティーだって?」


 そう言うとスカーレットは奥の部屋へユーリ達を誘導した。ユーリはその誘いに乗り、早速奥の部屋へ興味を示した。

 そして俺の耳元でスカーレットはある頼み事をして来た。


「エル様。奥の部屋にパーティーの準備をして頂けますか? これでユーリ達を完全に騙し切る事が出来ます」


 ――パーティーの準備?

 仮装衣装とか料理を出せばいいのか?


「うぬ。わかった。任せておけ。――――【コスプレ衣装 発現】、【パーティー用の飾り付け 発現】、【パーティー料理 発現】!」


 そして俺は奥の部屋に発現場所を限定し、言霊の能力を行使した。

 

「ありがとうございます。流石はエル様です……!」


 その後スカーレットは俺に深く頭を下げて礼を言い、ユーリ達の方へ向き直る。

 

「ユーリ達の分も仮装衣装を準備してありますので、どうぞご自由に!」


「ほんと!? やったぜ!」


「お、オイラ何にしようかな……?」


「リリィはお姉ちゃんと一緒のがいい……」


「私は姫様とかがいいわね」


 そしてスカーレットがそう声を掛けると、ユーリ達は嬉しそうに奥の部屋へと駆けて行った。

 その後玄関に残されたアイリスは俺に声を掛けて来た。


 

「エル様。今のでよろしかったでしょうか? 私、上手くやれていたでしょうか?」


 アイリスは先までのユーリ達に対しての態度とは違い、とてもしおらしく口を開いた。


「あぁ。結果的に上手くいった。ご苦労だった。この後もよろしく頼むぞ」


「はっ! 愚かなあの人間達を仮装パーティーで上手くもてなせば良いのですね?」


「そうだ。後の指示は追ってしていく、聞き逃すでないぞ?」


「承知しました。それとスカーレット……。あんたいつまでそんなぬるぬるでいるつもりよ?」


 アイリスは俺の言葉に返事をした後、いつまでもぬるぬるな姿のままでいるスカーレットに目をやった。


「あ、アイリス様……。私に気付いてらしたのですか……?」


 スカーレットは珍しくおどおどとした様子でアイリスに返答した。


「気付くに決まっているでしょう? 私だって変身魔法くらい使えるのよ? それに……あんたくらい強い魔族の事、気付かない方がどうかしてるわよ」


 アイリスは『当然でしょ?』と言わんばかりに呆れた表情を浮かべた。


 ――いやでもアイリスさん?

 あなたの部下のケシカとランナは一切スカーレットに気付かない所か、ヌルヌルにしてましたが?

 ていうか気付いてたなら何か声くらい掛けてやれよ。


 

 そんな俺のツッコミはさておき。

 二人は昔から面識があったのか、アイリスは『やれやれ、あんたはほんとにしょうがないわね』と言いながら水魔法でスカーレットのぬるぬるを洗い流してやっていた。


 

「あ、ありがとうございます、アイリス様」


「いいわよ。あんたは私が五芒星への推薦をしてあげたのに、それを蹴ってエル様のお世話係に立候補したんだから、もう少ししっかりしなさいよね」


「は、はい。その節は本当に――――」


「もういいわよ。さっ! 早く奥の部屋に行くわよ。向こうで待ってるあの子達が何かやらかさないか心配だわ」


「えぇ、そうですね。全てはエル様の野望の為に」


 二人は顔を見合せて頷き合い、奥の部屋へと向かって行った。

 俺はアイリスが言ったスカーレットの過去について少し気になりつつも、二人の後を追うように奥の部屋へと向かった。



 

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